icon-plane2019年2月 | グルメブログ「おいしいマレーシア」


ここ数年で、いよいよ和食が充実してきたクアラルンプール。東京で食べるのと遜色ないほどの本格的な寿司を楽しめるようになってきた。今回はそんな店の一つ、「寿司ひびき」をご紹介する。(マレーシアマガジン =野本響子)

 

クアラルンプールの中心、KLCCの隣の一等地に位置する。フォー・シーズンズ・ホテルに併設されたモールの地下、ワインショップの奥にあり見つけにくいが、ひっそりと看板がある。観光の合間に立ち寄るのにもちょうど良い。

 

メニューは「おまかせ」が中心

 

店内は和を生かしたモダンでシンプルな装飾で、ジャズが静かに流れている。カウンター席が9席と、4人掛けのテーブル席が3つある。照明は暗めで、座席は程よく離れて配置されており、落ち着いて話ができるムードだ。

 

オープンは2018年。板前の齊藤誠さんは20年以上、東京、ローマ、イスラエル、リッツカールトン京都などで料理人として活躍した経歴を持つ。

 

 

寿司ひびきのメニューは基本的に「お任せ」のみでシンプルだ。RM340、RM480、 RM720 の3種類のコース(2019年2月現在)があり、今回はRM480のHibikiコースを試食した。ネタは日本の各地(東京、北海道、大阪、福岡)から、週に4回空輸。旬な食材が食べられる。メニューは昼も夜も基本的に同じ。また原則として予約のみを受け付ける。また、酒類も日本酒はじめ豊富に揃っている。

 

なお「おまかせ」という言葉はマレーシアでも浸透しており、クアラルンプール内にはいくつかシェフのおまかせに任せる和食店がある。最初に苦手なものを聞いてくれるので、遠慮なく申告しておくと良い。

 

ふきのとう、菜の花など旬の味が楽しめることも

 

まず、季節の前菜と食前酒が出てくる。この日は菜の花や数の子、胡麻豆腐などが上品に盛られており、それぞれの微妙な味の違いを楽しめた。

 

 

その後、季節の冷菜と温菜が提供される。最初に出てきたのは、カラフルな蒸し冬野菜の盛り合わせ。素材の味がそれぞれ生かされており、一つ一つ味わうのが楽しい。温菜は季節の天ぷら。マレーシアでは珍しい、旬のフキノトウやメヒカリが出てきて、日本の季節を感じた。

 

 

さらにこの日はお造りも出てきた。メニューにない一品だったので驚いた。この日はしめさば、淡路鯛、本マグロ。日によって、季節の品の品数が変更になるそうだ。仕入れによって柔軟にメニューが変更されるのも、「おまかせ」スタイルの面白いところだ。

 

 

寿司は七貫(7個)出てくる。いくらや明石の真鯛、ウニ、マグロ、さわらなど。小ぶりで上品に握られた上にそれぞれ微妙に違った味付け。この日、とくにマグロとウニは甘く絶品。それぞれ、仕入先も味付けも違い、味の工夫の説明を聞くのも興味深い。この日のお椀はハマグリのお吸い物だった。

 

 

 

食後にはチョコレート・ムースのデザートが登場。甘さがほど良く抑えて合ってお鮨の後でも楽しめた。このコースだけでかなりのボリュームがある。

 

顧客は日本人以外が中心

 

この日カウンターに来ていたのは、いずれも中華系マレーシア人で、カウンター越しに会話を楽しむ姿が見られた。齊藤さんも「この店ではお客様とのコミュニケーションを大事にしています」と話す。

 

顧客の90パーセントがマレーシア人はじめとする外国人で、シンガポールや欧米からのお客さんも来るという。マレーシア人のお客さんには日本をよく理解し、寿司の楽しみ方も心得ている人が多いそうだ。

 

混雑するのは金曜日と土曜日。なお、毎週月曜には、鮨は提供されず、お酒とおつまみを楽しむ「No Sushi Mon day」を行っている。

 

また、月に一回の頻度でイベント「Echo in the night」も開催。これまでも、JAZZの生演奏、石巻の漁師、ワインソムリエなどとの興味深いコラボレーションを企画してきた。4月14日には、ペナン島MUSEUM HOTELにて、一日限りのPOPUPも計画している。

 

本格的なお鮨とお酒で贅沢に過ごしたい人に向いている。場所も良いので、カジュアルな接待や、KLCCでのショッピングや観光がてらに立ち寄るのに最適だろう。

 

http://www.malaysia-magazine.com/news/34806.html

 

住所 i Lot B1-04(A), Basement 1, Shoppes at Four Seasons Place Kuala Lumpur, No. 145, Jalan Ampang, 50450 Kuala Lumpur, Malaysia.
営業時間1230 – 1430 1800 ~ (last order 2200)

価格(2019年3月より以下に変わります)
Rin Short Omakase Course 340rm
Seasonal Omakase Course 480rm
Premium Omakase Course 720rm
 

投稿日:2019/02/25  Posted in 和食 | Leave a comment

 

クアラルンプールに子連れに優しい日本風カフェがあるのでご紹介しよう。車を見ながら家族でゆっくり食事を取りに訪れてみてはいかがだろうか。(マレーシアマガジン=かりわめぐみ)

 

クアラルンプールのジャラン・スンガイ・ベシは自動車工場やショールームなどが並ぶ工業地帯だ。マツダのショールームに併設する日本風カフェ「KOHI YATTA」を紹介する。

 

「KOHI YATTA」とは「コーヒー、ヤッター!」の意味で、日本語で喜びを表している。2017年6月のオープン当初は、隣接するマツダショールームの常連客のための付属カフェとして定着していたが、現在では、家族連れや子供たちがくつろげる空間だ。
オーナーのキャロルさん自身が、子供を連れて食事をする難しさに直面したため、自らの体験から「子供に優しいカフェ」をコンセプトにカフェを発展させたのだという。

 

 

ガラス張りの店内は自然光に溢れている。心地よいパステルトーンで、明るく風通しの良い雰囲気。家族や友達とのブランチにも最適だ。マツダの店舗とは店内で直結しているため、車を眺めて食事もできる。

 

 

食事は、日本にインスパイアされたローカルフード。60種類以上の和食を中心としたメニューがある。サーモンステーキパスタ(RM25)、ウルトラ牛丼(RM26)、柚子かつうどん(RM26)など。

 

 

KOHI YATTAには、2018年に国内のバリスタコンテストで準優勝を果たしたLiew Kar Weng氏が在籍している。酸味の欲しい朝の一杯や、甘いデザートと一緒に深入りを一杯。珈琲を注文する際は、ぜひ味の好みを相談してほしい。抹茶のメニューは、日本の農家から直接抹茶を調達しているブランドの「Niko Neko Matcha」を使用。

 

 

キッズスペースは店内の中央に位置しているため、大人が見守ることができる。この日は閉店間際に駆け込んだので、子供の遊んだあとだった。おもちゃは毎日、赤ちゃん用の洗浄剤で消毒し、清潔さを保つために6か月ごとに更新される。

 

 

KOHI YATTA
マツダショールーム&サービスセンター横
住所:Lot 4、Jalan Sungai Besi、57100 Kuala Lumpur
営業時間:毎日、午前8時 – 午後6時半
 

投稿日:2019/02/15  Posted in western | Leave a comment


こちらが極上の麻婆豆腐&ライス(通常目玉焼きが載っているが、煮卵が載っている日もある)

 

マレーシアで美味しい麻婆豆腐が食べたい! と思っている人は少なくないのではないだろう。今回はそんな麻婆豆腐難民にぜひ試してもらいたいレストランのご紹介だ。(マレーシアマガジン=渡部明子)

 

ついに見つけた!人生最高の麻婆豆腐

中華料理の中で、日本人にもっとも愛されているメニューの1つである麻婆豆腐。中華系が多く暮らすマレーシアの当品は、さぞ美味しいのでは!?と期待されるところだが、現実はそうではない。「日本で食べた料理の中で最もうまかったものは麻婆豆腐だ」と、まるで日本食であるかのような感想を述べる中華系友人さえいる。

それでもあきらめることなく、中華レストランで麻婆豆腐のメニューを見つければ、必ずオーダーし食べ続けてきた筆者は、ついに、心底旨い、人生でもっとも旨いと思える麻婆豆腐に出会ってしまった。本日は、この感涙ものの麻婆豆腐をご紹介しよう。

 

ヤミツキの麻婆豆腐は、本物の味

麻婆豆腐とは四川を発祥とする料理で、唐辛子の辛く甘い味わいと、花椒の痺れるような感覚の両方を、絶妙なハーモニーで表現する料理だ。この条件をしっかりと踏まえ、食べ終わった後でもまた食べたい、翌日も食べたい、3日間食べなかったら禁断症状が出るほどの逸品、それが当店“熊猫工坊(PANDA MANIA)”の麻婆豆腐だ。びっくりするほど辛い。後頭部がじんじん痺れ、食べている側から、じんわりと汗ばむほどだ。にもかかわらず、うまくて仕方がない。また、しっかり油を感じるものの、決して胸焼けはしない。食べても食べても食べ飽きることのない、まさにヤミツキの麻婆豆腐である。

 

シェフの確かな腕

シェフは安徽省宿州の出身。料理人になることを決意し、四川で修行。中華系マレーシア人の妻との出会いを経て、当地へとやってきたという。「本場四川の料理は、マレーシア人も絶句するほど辛く、油分が多め、また塩分過多の傾向。四川本場の味を保ちつつ、油加減、塩分控えめを心がけるなど、試行錯誤しました。私にとってはまだ辛いですが、主人はこれ以上辛さを抑えることはできないと申すので」と、英語の話せないシェフに代わり、シェフの奥さんは説明する。その他のメニューを食べ比べると顕著なのだが、料理によって唐辛子を使い分けるという四川料理の基本をシェフはきっちり踏まえ、妥協を許さない。確かな腕を持つシェフによる、本場の味を損ねない料理を当地でいただけるとは、有り難い限りである。

 

嬉しさで仰天するお値段

 


セットメニューは全品RM10.90

 

当店では、13種類のセットメニューを提供している。回鍋肉(ホイコーロー)、麻婆ナス、宮保鶏丁(クンパオチキン)など、日本人が大好きな著名料理をしっかりと押さえている。そのお値段はなんと、全メニューRM10.90。本場の旨い料理を安くお腹いっぱいいただけるとあり、当店のリピーターは多く、毎日ランチに訪れるというビジネスマンも数知れない。
 

メニューにない料理も絶品

 


絶品の酸辣湯。メニューにはない

 

本場四川の厨房に立たれていたシェフだけあり、四川料理ならば、メニューになくても(材料さえあれば)すぐに作ってくれる。例えば、筆者が麻婆豆腐とともにこよなく愛するメニュー、酸辣湯(サンラータン)。酸味と辛さの融合が求められる一品だ。当店の酸辣湯も、人生最高の旨さである(あくまでも筆者の視点からであるが)。味の背景を決める生姜汁と胡椒の加減は完璧、各種具材は丁寧に切りそろえられ、最後に回し入れられたであろう溶き卵の様子を見れば、火加減、タイミングがいかに素晴らしいかが窺い知れる。

 


豚ベースの白濁のスープ。臭みやクセは一切なく、老若男女に関わらず、美味しくいただける(辛味を求める場合は、オーダーの際に要望を伝えることができる)

 

ところで、当レストランは、本来はスチームボード&中華鉄板焼きの店である。スープは白濁の豚ベースで臭みは一切なく、丁寧な作りに心から感服する(この絶品スープに博多の棒状ラーメンを投入したい衝動にいつも駆られる)。牛肉をオーダーすると、カチンカチンに凍ったロール状で登場するが、スープとの相性はよく、かつ鉄板で焼いてもイケる。

 

各種具材や、鉄板焼き用調味料・薬味は、回転コンベアーで提供される

 

牛肉やシーフード以外の具材は、回転テーブルに乗って回っている。スチームボードも鉄板焼きも大変旨いことを、しっかりこちらで補足しておこう。

お値段は破格であるが、決してB級グルメとは表現すべきではない絶品料理の数々。四川料理好きは、ぜひ一度訪れていただきたい名店である。
 

レストラン名:熊猫工坊PANDA MANIA
住所:LEVEL 1, A-01-09, SUNWAY GEO AVENUE,, BLOCK A JALAN LAGOON SELATAN, BANDAR SUNWAY, SUBANG JAYA, SELANGOR 47500
電話番号:03-5611 5110
営業:11:00-22:00

 

投稿日:2019/02/11  Posted in 中華料理 | Leave a comment