icon-plane 遊びを大事にするモンテッソーリ式の学校

遊びを大事にするモンテッソーリ式の学校

こんにちは。野本です。

 

先日、モンテッソーリ式の学校についてご紹介したところ、数件のお問い合わせを頂きました。
学校からの依頼もあり、再度行って、取材してきました。

 
今回ご紹介する学校は、「treetop house」です。場所はクアラルンプールのデサ・パークシティから近いTaman Sri SegambutのEduVilladge内。一見、ショップロットのようですが、入ってみると中はかなり広いです。ただし校庭やプールはありません。

 

IMG_0398
 

これは二校舎目で、本校はJalan U-Thantにあるそうです。
 

自発性を大事にするモンテッソリー教育

 

この学校の特色は「ピュア・モンテッソーリ」だそう。
3歳から12歳の子供たちをモンテッソーリ式で教えます。英国式が主流のマレーシアの小学校では珍しいですね。
小学校はまだ学校認可はおりてないので、ホームスクール扱いですが、ビザがあれば通えます。
英語・マレー語・中国語で教育します。見たところ、中華系のお子さんが多かったです。
 
モンテッソーリといえば、子供の自発性を大事にし、一斉教育を行わない形態をとることで知られています。
アンネ・フランクやピーター・ドラッガーもモンテッソーリ教育を受けていたそうです。

 

モンテッソーリ教育の基本について、日本モンテッソーリ教育総合研究所は、

 

モンテッソーリ教育の基本は、「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」という考え方にあります。

 

と書いています。

 

さて、この小学校は実に独特です。教室は一つで、生徒の机は並んでいません。同じクラスで小さい子も大きい子も一緒に学びます。

 

SAMSUNG CSC

 

色とりどり、五感に訴える教材が要所要所に配置されており、一見、小学校の教室というより、工作室かプレイルームのよう。四角い机が並んだ教室を想像していると驚きますが、好奇心や想像力を刺激される子も多いでしょう。発達障害の子どもたちもきちんと視野に入れた教育方法を取っています。

 

隅っこに寝っ転がって一人になれるスペースがありました。落ち着きたいとき、一人になりたいとき、リセットしたいときに子供達はここにきて休みます。さらに「平和のテーブル」と呼ばれる喧嘩した当事者が冷静に話し合うためのコーナーもあります。

 

私はモンテッソーリについては詳しくないのですが、今回行って見て、子供の好奇心を大事にし、自発的な学びを誘発する工夫に驚きました。

 

子供に「最も大事なのは遊びである」

 

先生たちは全員モンテッソリの有資格者。幼稚園にも木製の教具がたくさん並び、知覚や触覚など、五感を刺激するおもちゃが並んでいます。
おもちゃの貸し出しのできる図書館もあり、将来的には地域に公開していきたいと話します。キッチンも大きいのですが、料理教室などで、これまた地域に公開し、一緒にやっていける学校を目指すとのこと。

 

木製のおもちゃを中心にした部屋とは別に3Dプリンターを備えた部屋もあったりします。

 

ツリートップハウスでは、「健康的な脳の発達のためには「遊び」が最も大事だと考えています」と言っています。
SAMSUNG CSC

 

副校長は「現在、学校でも家でも遊びが不足しています。レストランを見てください。子供達はガジェットに熱中しており、呼びかけられても気づきません。そのため、子供達は社会性やコミュニケーションスキルを獲得できないまま育ちます。他の人の視点からものを見ることができず、不寛容や誤解、不満やうつ病などにつながります」と話します。遊びは、認知的、物理的、社会的な感情、想像力、器用さ、そして問題解決能力を高めるそうです。

 

この学校の大きな特徴は以下の通りです。

1 ピュア・モンテッソーリ・スクールであること
取材すると「うちはピュア・モンテッソーリ・スクールです」と話します。先生は全員モンテッソーリのトレーンングを受けており、中心となるロー・リン・クアン先生は、英国でモンテッソーリ・ディプロマ、北米のモンテッソーリ・センターよりインターナショナル・モンテッソーリ・ディプロマの資格をとり、30年以上の経験があります。

 

2 異年齢の子を一緒に教育すること
クラスは一つだけ。モンテッソーリでは異年齢の子が同じ教室で学びます。「遊び」を非常に重視しているそうです。読み、書きなどのアカデミックな面だけではなく、五感を使い、触ったり、匂いを嗅いだりして、子供達は学びます。おもちゃの図書館と呼ばれるおもちゃの部屋があり、将来的には地域の子供達にも貸し出しをしたいそうです。

 

主な言語は英語ですが、中国語、マレー語も教えます。英語力の弱い生徒のためのサポートもしてくれるそうです。

 

3 障害のある子も一緒に学ぶこと
ここでは障害のあるお子さんや発達障害のあるお子さんも受け入れており、時に一緒に学ぶことで、お互いに学びがあると教えます。
モンテッソーリは、障害児の治療教育に携わった経験があり、障害児教育を健常児教育にも適応させていたそうです。

http://sainou.or.jp/montessori/about-montessori/index.php

 

学費は幼稚園で1タームRM3600-小学校でRM6200-。

 

興味がある方は有料にはなりますが、一週間単位で「お試し」を体験してみることをお勧めします。

 

良い学校というのは、子供一人一人によって違います。ある人が絶賛する学校が他の人にあうかはわかりません。
実際に通ってみないとわからないことが沢山あります。

 

まだできたばかりの学校で人数も少ないですが、学校のスペースはかなり広く、ゆくゆくは中学校も併設して行きたいとのこと。
木製のモンテッソーリのおもちゃと一緒に、最新の3Dプリンターを備えた部屋もありました。

 

今週27日には、「カーニバル」と題し、地域に開放した遊びのスペースを提供するそうですので、興味を持った方は遊びに行って見てください。
http://www.malaysia-magazine.com/news/21944.html
 

ーーーー
■マレーシアマガジンのインターナショナルスクール見学ツアーに同行しています。スカイプ面談付きで、丁寧にご相談に乗ります。ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

http://www.malaysia-magazine.com/school_tour/tour4.php

面白かったらお願いします!
にほんブログ村 海外生活ブログへ
にほんブログ村

今までの記事を順番に読みたい方はフェイスブックページ をみてください。

人気記事
1.占領時代、日本式の教育を受けたマレーシア人に戦時中の話を聞いてみた

2.早大、京大を経てマレーシアにきた社会心理学者に、日本との教育の違いを聞いてみた

3.「子供を殺してください」という親たち(新潮文庫)

4.マレーシアから去っていく人を見て考えた

5.イギリス英語とマレーシア英語はどう違う?(実践編)

6.お金持ちじゃない人がケンブリッジで学位を取る方法

7.実は日本人は騒がしくてうるさい?

東洋経済の連載記事のリンクです。

http://toyokeizai.net/category/malaysia

★マレーシアの教育環境について、良い点悪い点率直にまとめました。電子書籍版です。

マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩

★マレーシアに車なしで住むノウハウをまとめてみました。電子書籍版です

車なしでマレーシア生活

★フェイスブックで日本にいながら国際交流する方法を書いた書籍(角川書店から発売)です。私はこうしてマレーシア人をはじめ、フィンランド人、香港人などと友情を育んできました。

Facebookで起こる人脈構築革命

★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。

いいね! フェイスブック (朝日新書)

(スポンサーリンク)