icon-plane書評 | マレーシアでちょこっとだけ子供の教育を考えた。

興味深い本を読みました。

世界史や日本史の本というと、
最後に参考文献がたくさんかいてあるのが通例ですが、
「仕事に効く教養としての「世界史」」の面白いところは
一切それがないところ。

生命保険会社のCEOを務める出口治明さんという人が
たくさんの本を読んだ結果、
自分の頭で考えた結果の「世界史」なんですね。
こういう本が出版されるところに、驚きを感じます。

私たちがSNSに都合が悪いことは書かないように、
歴史上の文章も宗教指導者や国家指導者によって
都合の良いように編纂されてるハズですから、
何が正しいかというのは実はよく分からない。
本書はそこから出発しています。

例えば、「士農工商」という身分制度は
最近否定されていて教科書からなくなったそうです。
明治政府が江戸幕府を否定するために、
誤った理解を広めた、という説が強くなってきたとのこと。
まーまた変わるかもしれませんね。

豊富な知識をベースにしつつも、
農耕がどう生まれたか、宗教がどう生まれたかを、筆者は自分なりに考えます。

例えば神の誕生は、人間の周囲にあるものを順番に支配して行って、
最後に残ったのが「この世界は誰が支配しているのか」という問いであった。
それが神の誕生につながったのではないか、と考えます。
さらに日本史も世界史から考えると見えてくることがあるといいます。

筆者は「勘違いや誤解があると思います」と書いていますが、
むしろ「これが絶対に正しい!」と言い切る人がいたら、
私は疑いたくなっちゃいますね。

こんな本を出発点にして、議論を深めていったら、
楽しい学習スタイルになるだろうなーと夢想しちゃいました。

(アマゾンのリンクです)
仕事に効く 教養としての「世界史」

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7.実は日本人は騒がしくてうるさい?

東洋経済の連載記事のリンクです。

http://toyokeizai.net/category/malaysia

★マレーシアの教育環境について、良い点悪い点率直にまとめました。電子書籍版です。

マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩

★マレーシアに車なしで住むノウハウをまとめてみました。電子書籍版です

車なしでマレーシア生活

★フェイスブックで日本にいながら国際交流する方法を書いた書籍(角川書店から発売)です。私はこうしてマレーシア人をはじめ、フィンランド人、香港人などと友情を育んできました。

Facebookで起こる人脈構築革命

★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。

いいね! フェイスブック (朝日新書)

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投稿日:2016/07/18  Posted in 書評

「悩みどころと逃げどころ」(小学館新書)

を読んでいて面白かったのは、
学歴がない人の方が、学歴大事だって思ってることですね。

ゲーマーの梅原大吾さんは学校ではずっと寝ててゲーマーになったのに、
学歴だけは必要だと主張してます。
一方で高学歴エリートのちきりんさんは、学歴なんて意味がないと反論し、
プロフすら公開していません。

梅原さんが学歴を重要視するのは、それで差別される現実があるからです。

「学校的価値観」
が身につくと、相手と会った時にまず学歴をみるようになるそうです。

私のブログでも学歴を公開してますが、
日本で「教育」に敏感な人は、まず相手の学歴を見て、
信頼に値する情報かどうかを判断するんだろ〜なーと
意識しています。

ただし、私は大学まで行ったくせに、
この「学校的価値観」が身についてないらしく、
本書では梅原さんの方にいちいち共感してしまう。

なんでかな、って思うと、梅原さん同様、
学校の授業を聞いてなかったんですよね。

不良ではなかったけど、劣等生だったんで、
内職またはデイドリーミングしてました。
理解することすらできなかった。

受験の時だけ勉強したけど、予備校にはいかなかったから、価値観は身につかなかったんですね。

それで就職して、こんなはずじゃなかった、
と衝撃を受けてしまったんでしょうね。

(Amazonのリンク。みなさん絶賛ですね)
悩みどころと逃げどころ(小学館新書)

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投稿日:2016/06/09  Posted in 書評

最近、教育トピックが熱いですね。
「悩みどころと逃げどころ」(小学館新書)
ゲーマーの梅原大吾さんと、ブロガーのちきりんさんの対談です。
なぜかこの二人が学校教育を語るということで、
興味津々で読みました。

教育というよりは、日本の学校で自然と身についてしまう
「学校的価値観」について、実体験をもとに書かれています。
本筋からは離れますが、印象的だった箇所。

ウメハラ 小学校の頃から、皆がやたらと流行りモノに群がるのが嫌だったんです。学校に行くと、クラスの全員が「○○の新曲、聴いた?」とかやってるじゃないですか。その曲がホントに好きならいいけど、そうじゃなくて「今のトレンドだから知ってて当然だよ」みたいな言い方するでしょ。
(中略)
それで、みんなが話題にしていることに興味を持つこと自体がどんどん嫌になっていったんです。
ちきりん さすがにオリンピックとかワールドカップだと興味がある?
ウメハラ ないですね。へえ、今やってるんだって感じ。

これね、子供も日本の学校で同じこと言ってました。

私も学校や職場で「好き」を強制されるのが、私ものすごく嫌でした。
「ね、トトロ好きでしょー、みんな大好きよねー」
とか無邪気に強制する人、いますよねー?
あのちきりんさんですら、こんな質問してるし….。

高校野球とか、サッカーとか、フィギュアとか朝ドラとか
オリンピックとか国民的アニメとかアイドルとか、本当に興味ないんですよ。
みんなで同じものを好きになるのって、気持ち悪いです。

こういう好ききらいを曖昧にしていくと、
自分が何者なのかよくわからなくなりそうで、
怖いんですよ。

「感動大作」みたいなコピーも嫌い。
感動するかどうかは見てから私が感じることで、
踏み込んで決めつけないでほしいです。
言葉の扱いに無神経なんだなーって思っちゃう。

さらにはスキー場や海水浴場とかで好きでもない音楽を
聞かされるのも嫌いでした。

この呪縛、マレーシアに来ると、大分楽になりますよ。
マレーシア人にもこういう人いますけど、自分に自信がない人が
多いかな….。

私が日本で感じる息苦しさの正体ってこのへんにありそうな
気がしてきました。

(Amazonのリンク。みなさん絶賛ですね)
悩みどころと逃げどころ(小学館新書)

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http://toyokeizai.net/category/malaysia

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Facebookで起こる人脈構築革命

★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。

いいね! フェイスブック (朝日新書)

投稿日:2016/06/08  Posted in 書評