icon-plane 参考文献がない「仕事に効く教養としての『世界史』」

参考文献がない「仕事に効く教養としての『世界史』」

興味深い本を読みました。

世界史や日本史の本というと、
最後に参考文献がたくさんかいてあるのが通例ですが、
「仕事に効く教養としての「世界史」」の面白いところは
一切それがないところ。

生命保険会社のCEOを務める出口治明さんという人が
たくさんの本を読んだ結果、
自分の頭で考えた結果の「世界史」なんですね。
こういう本が出版されるところに、驚きを感じます。

私たちがSNSに都合が悪いことは書かないように、
歴史上の文章も宗教指導者や国家指導者によって
都合の良いように編纂されてるハズですから、
何が正しいかというのは実はよく分からない。
本書はそこから出発しています。

例えば、「士農工商」という身分制度は
最近否定されていて教科書からなくなったそうです。
明治政府が江戸幕府を否定するために、
誤った理解を広めた、という説が強くなってきたとのこと。
まーまた変わるかもしれませんね。

豊富な知識をベースにしつつも、
農耕がどう生まれたか、宗教がどう生まれたかを、筆者は自分なりに考えます。

例えば神の誕生は、人間の周囲にあるものを順番に支配して行って、
最後に残ったのが「この世界は誰が支配しているのか」という問いであった。
それが神の誕生につながったのではないか、と考えます。
さらに日本史も世界史から考えると見えてくることがあるといいます。

筆者は「勘違いや誤解があると思います」と書いていますが、
むしろ「これが絶対に正しい!」と言い切る人がいたら、
私は疑いたくなっちゃいますね。

こんな本を出発点にして、議論を深めていったら、
楽しい学習スタイルになるだろうなーと夢想しちゃいました。

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仕事に効く 教養としての「世界史」

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