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イスラム教におけるハラルについて

 

最近日本のニュースなどでも取り上げられるようになったハラル認証について

もう一度おさらいしてみましょう。

 

ハラルと言う言葉は、元々アラビア語で「許されたもの」「合法的なもの」という意味

を持ちます。これは口にする食べ物だけではなく、スキンケア製品や衣類、雑貨など、

項目は多岐にわたりますが、その解釈は国や家庭ごとに異なります。

反対に許されないものはハラームと言いますが、言葉そのものを知らない異教徒向けに

マレーシアでは「Non Halal」と表す事がほとんどです。

 

食品で禁止されているもので良く知られているものには「豚肉」「お酒」などが挙げられますが、

他にも牙がある動物、ロバなども同様に禁止されています。

また、食べる事を許されている牛や羊、鶏などでも、屠殺の際にはイスラム教の教えに沿ったもので

なければいけません。屠殺する人はムスリムでなければいけない、祈りを捧げなければならない、

血抜きをしてから捌かなければならないなど、教えは多岐に渡ります。

今では製造過程を間近で見る事はないため、ムスリムは「ハラル認証マーク」を確認し、

その安全性を確認するのです。

 

私達にとっては縁のないイスラム教ですが、本来その内容はとても合理的です。

そのため緊急時にはハラル食品以外の食べ物を取る事も許されています。

また、旅行の際にもハラルの概念は緩くなる様に配慮されています。

前回のオリンピックでは断食が重なった為、断食している国への批判が高まりましたが、

基本的に教えの解釈は宗派や個人にゆだねられている為、本人が希望して断食していた

可能性もあります。

 

現在マレーシアでは19億人のイスラムマーケットに向け、自国のハラル認証を

イスラム圏のスタンダードにする事を目指している為、厳しい審査でハラル認証の交付をしています。

ハラル認証の基準は国によって異なり、そのため同じハラル製品でも

信用性の高いもの、低いもの様々です。

ビジネスにおいてハラル認証を目指す場合、どの国をマーケットにするかをまず決め、

その国が要求するハラル基準を理解する事が大切です。

 

ハラル認証を申請した場合、その製造過程を厳しく審査します。

製造過程に禁忌品が混入する可能性はないか、工場にムスリムはいるか、

工場に禁止されているものはないか、さまざまなチェック項目をクリアにし、

初めてハラル認証がされ、イスラム圏へのマーケットが開かれます。