icon-plane 世界自然遺産キナバル山が、世界で一番初心者にオススメな5つの理由

世界自然遺産キナバル山が、世界で一番初心者にオススメな5つの理由

 

今日から山田淳さんの連載が始まります。山田さんは神戸市生まれ、東京大学経済学部に在籍しながら、世界の山に挑戦し、七大陸最高峰制覇の最年少記録を更新。卒業後はマッキンゼーを経て「フィールド&マウンテン」を起業し、登山道具のレンタルやガイド事業などを行っています。そんな山田さんはキナバル山登頂歴数十回。ガイドとしてマレーシアの山を知る山田さんにキナバルの魅力を聞きました。

 

みなさんこんにちは。このサイトの読者の皆さんにはマレーシアに住んでいる方や、はたまた日本にいてマレーシアが気になる方、いろんな方がいらっしゃるでしょう。そんな皆様にマレーシアのアウトドア事情をご紹介する、「山田淳のマレーシアアウトドア通信」。登山と言われると身構えてしまう、ぐらいの非アウトドアフリークの方向けに、これから数回にわたって、東マレーシアのサバ州にある”通称”東南アジア最高峰、キナバル山を紹介したいと思います。

 

 

楽して絶景が見られるキナバルへ行こう

 

さて、自己紹介が遅れましたが、ワタクシ、山田淳は日本在住の登山ガイドでございまして、日本はもちろん、世界中の山々にお客様をお連れする仕事を15年ほどしています。そして、そのワタクシが自信を持って、「キナバルは世界で一番初心者にオススメ」と言い切ります。15 年もガイドをやって、各地で説明会などでお客様のお話を伺っていると、だいたい登山初心者の方々が抱いている「登山」に対する不安はわかっています。

トイレはちゃんとあるの? 荷物が重いんじゃないの? ご飯は? 混んでるんじゃないの? などなど。そんな不安を全部解決してくれて、なおかつ「お買い得」な山が、まさに、キナバルなんです。

 

 

↑ 登山口からのキナバル全景。(ここから見ると、本当に登れるの?って気になります)

 

「お買い得」ってなにかって? 一言で言うと、 “楽して絶景が見られる!”ってこと。なにせ、数少ないユネスコが認める、世界自然遺産ですから。マレーシアでもキナバルともう少し南のムル洞窟、日本では屋久島、小笠原、知床、白神の4地域が世界自然遺産になっています。現在世界遺産は1000ヶ所ぐらいあるんですが、そのうち自然遺産は2割程度。文化遺産よりもレアな自然遺産に指定されていて、絶景はお墨付きをいただいていると言っていいでしょう。

 


↑ 本当の最高点はローズピークと呼ばれるが、ローズピークから見下ろすサウスピークが有名。ちなみに、昔の1リンギット札がこの風景だったので、ワンリンギットピークと呼ばれる

 

1 30分おきにトイレがあるレアな山

 

登山初めての方、特に女性からよく聞かれるのが、「トイレ問題」。日本でもようやくバイオトイレが普及し始めていて、やっぱりバイオトイレを導入した小屋は人気です。一方、私が年末年始に毎年行っているキリマンジャロなどは小屋、お昼休憩ポイントには「ぼっとん式」のトイレがありますが、それ以外は青空トイレになってしまいます。山に慣れた人は、「お花摘み」や「雉打ち」と言って登山道から少し外れた隠れポイントを探して用を足したりするものですが、最初は抵抗ありますよね。

 

ところが、このキナバルは、30分おきに屋根付きの休憩所があり、なんと水洗トイレがあります。もちろん小屋にも水洗トイレ。これだけトイレ事情が進んでいる山は、世界中見回してもキナバルぐらいのものです。この不安が取り除かれるだけで、十分にキナバルをオススメできる理由になります。

 

↑ 30分おきに屋根、ゴミ箱、トイレがセットになったあずまやがあり、休憩できる。トイレは水洗。ゴミは下山時にポーターがまとめて下ろします。

 

2 なんと荷物は全部ポーター持ち

 

日本で山登りをちょっとかじってしまうと、自分の荷物は自分で持たなきゃ、みたいな感覚が芽生えてきてしまうのですが、キナバルもキリマンジャロも荷物を担いでくれるポーターがいるので、身軽に登れます。持つのは、レインウェアとパスポートなどの貴重品、歩いている間に食べるおやつ、水分くらいで、着替えや登頂するときに必要なものはポーターに持っていってもらいましょう。一つ注意しなくてはならないのが、ポーターは先に小屋まで行ってしまうので、お昼休みなどで荷物からなにかを取り出すことができないこと。ただ、登山口でちゃんと仕分けをすれば、ポーターをうまく活用して楽に登ることができます。

 

3 絶対に混雑することがない

 

キナバルは、全員ガイドを雇うことが義務付けられていて、自分たちだけで登る、ということができません。また、登山者は夜明けに出発してご来光を頂上付近で見るために、3300mにあるラバンラタハット、もしくはペンダントハットに泊まります。日本の山小屋の蚕棚方式(つまり押し込めば何人でも泊められる!)という状態と違って、一人一つのベッドがある完全予約制なので、人数以上登ってくることはありません。だから、登山道も混み合うことがないのです。富士山だと、ずっと前の人のお尻しか見えなかった、っていう感想を聞くのですが、そんなことはあり得ないのです。

 

4 寝るときはゆっくり寝たい

 

キナバルのラバンラタハットは1階がカフェテリア、1階の奥と2階が宿泊者用の部屋になっています。2階はほとんどが6-12人用のドミトリーなのですが、一部、2-4人用の個室があります。寝るときにゆっくりしたい、という人は別料金にはなりますが、個室を利用するのもいいでしょう。とはいえ、ドミトリーも2段ベッドで一人一つきちんとベッドメイクされたベッドで寝られるわけですから、十分に快適です。ちなみに部屋とカフェテリアの数カ所にコンセントもあるので、アダプターを持って上がれば充電することも可能です。

 

 

↑ ドミトリーとはいえ、「山小屋」のイメージからは程遠いんじゃないでしょうか。

 

5 温かい料理が楽しめる!

 
カフェテリアでは、到着日夕方、出発前の夜中、頂上から帰ってきた昼前にビュッフェスタイルのご飯になります。カフェテリアの奥はオープンスタイルの厨房になっていて、その場で調理したものが出てくるので、アツアツのミーゴレン(焼きそば)やナシゴレン(焼き飯)が楽しめます。個人的にはここで出てくるスープがオススメ。ショウガの効いたスープが美味しくて、食後にスープ片手に山の話に花を咲かせるのが楽しみで、毎回登っているのです。

 

 

↑ こんなカフェテリアで翌日の登頂に備えて一休み。

 

 

↑ 山ではどうしても山の話になりますね。

 

さて、そんなこんなでぜひぜひみなさんに一度行ってもらいたいキナバル。次は、コタキナバルの空港に着いてからのスケジュールを追って、雰囲気をお知らせしたいと思います! お楽しみに!

 

記事掲載日時:2017年02月06日 11:55