icon-plane あるマレーシア人のエッセイ:鎌倉で「神様に出会った」経験をしました

あるマレーシア人のエッセイ:鎌倉で「神様に出会った」経験をしました

 

マレーシア人の中には、日本語が上手い人がたくさんいます。リー・リンさんもそんな一人。前回、日本の温泉の体験記が好評でしたが、今回は、鎌倉へ一日乗車券を利用して行ったときの不思議な思い出を書いてもらいました。原文の味をなるべくそのまま生かしています。お楽しみください!

 

鎌倉で長谷寺の近辺で声をかけられました

 

去年、鎌倉へ旅行に行ったとき、江ノ電の1日乗車券を利用して、1日中鎌倉と藤沢の間に行ったり来たりして、いくつかの駅で降りて、海を眺めたり、駅の周りを散策したりしました。

 

長谷駅の近くにある高徳院の大仏さまを拝観してから、日の沈まないうちに、長谷駅と極楽寺駅の間にあるトンネルを探しに行ってみました。電車がトンネルから出る瞬間を撮りたかったのです。

 

 

無事にトンネルを見つけて、写真を撮ってから、徒歩で長谷駅へ戻っていく途中、たまたま軌道の隣にある一軒の家の庭に目を引かれました。しゃがんだまま、しばらくカメラのファインダーを覗き込んでいるとき、「きれいな物が見つかった?」と、誰かに声をかけられました。

 

立ち上げたら、ニコニコした一人のおばあちゃんが目の前に立っています。近所にある家に帰る途中なのか、あるいは家の辺りを散策していたのかもしれません。

 

私がマレーシア人であることがわかったら、「マレーシアに行ったことがあるよ」とおばあちゃんが嬉しそうに言いました。30年前に、シンガポールへ旅行に行ったとき、ついでにバスで(それとも車だったかもしれません)マレーシアへ行ったそうです。

 

おばあちゃんは、マレーシアが結構気に入ったようです。私の手を取って、マレーシアに行ったときの出来事などを話してくれました。そして、不意に財布から500円玉を一枚取り出して、私の手のひらに押し付けて、「コンビニに行って、ジュース1本でも買って飲んでね」と。まるでかわいがっている孫にお小遣いをあげるように。

 

まさか! 受け入れるわけには行かないでしょう? でも、結局おばあちゃんの意に沿わないわけにもいかないような気がして、ご厚意に甘えることになりました。

 

「神社でお金を洗うと、お金が増える」?

 

それから何日間が過ぎたか覚えていませんが、ある日ふと思い出しました。そういえば、極楽寺に行ったその日の午前、藤沢にある清浄光寺を訪ねました。せっかくなので、清浄光寺の境内にある宇賀弁財天も参拝して、財布からいくつかのお金を取り出して洗ってみました。やり方が正しいかどうかわかりませんが。

 


銭を洗うとお金が増えるって、言われますよね。
そして、確かに参拝した後おばあちゃんに500円をもらいました、しかも同じ1日のうちに!
「もしかして神さまに出会った!?」どこからともなくそんな思いが浮かんできました。

 

「日本なら、ありえないことじゃないわ」このエピソードを友人(マレーシア人)に語ったとき、そう言われました。
そうかもしれませんね。だって日本には八百万の神様もいるんですものねー。

 

(著者紹介)リー・リン

翻訳家。2013年の秋に、クアラルンプールにある国際交流基金JFKLで、日本語の勉強を始めました。2年半ぐらいで日本語教室に通っていましたが、今は自分で本を読んだり、ドラマを見たりして、日本語の勉強を楽しむようにしています。中華系マレーシア人。