icon-plane あるマレーシア人のエッセイ:お箸が苦手な外国人は、日本でどうすればいいの?

あるマレーシア人のエッセイ:お箸が苦手な外国人は、日本でどうすればいいの?

 

日本語を勉強しているリーリンさんによるエッセイ。今回は、外国人泣かせの「お箸」について書いてもらいました。マレーシアでは中華系でもお箸が使えない人がたくさんいます。彼らは日本に来たとき、どのようにしているのでしょうか?(文・リー・リン=マレーシアマガジン)

マレーシアに暮らしている皆さんは既にご存知のことと思いますが、マレーシアの中華系の中には、中国語ができない方もいれば、お箸を使えない方もいます。子どものみならず、お箸を使うことができない大人の知り合いもいます。また、中華料理店でお箸が用意されないこともあります。

 

私の知っている限りでは、家で食事をするとき、お箸の代わりにスプーンとフォークでご飯を食べる方も少なくないようです。
実は、私の実家でもそうなんです、麺を食べるときは、お箸を使いますが。

 

私は子どもの頃からお箸を使えますが、最近まで持ち方をずっと間違えていたので、器用にお箸を使うことができませんでした。

 

トウモロコシまで綺麗にお箸で食べる日本人はカッコいい

 

日本に旅行に行ったとき、同じホステルに泊まっている日本人の旅人同士と食事をしたことがあります。洋食なので、私はスプーンとフォークを使っていましたが、向こうはお箸一膳だけで、ごはんも、肉も、サラダも、トウモロコシまでも食べ切りました。しかも、私よりきれいに、何も残さずに食べ切りました!

 

 

カッコイイ! お箸をそんなに上手く使えればカッコイイなぁーと感心しました。

 

それがきっかけで、正しく、上手くお箸を使えるために、できるだけお箸で飯を食べるようにしています。スパゲッティを食べるときすらお箸を使います。練習のおかげで、お箸を使う能力は少しでも伸びたと思います。少なくともコンビニでサラダを買うとき、お箸だけもらっても困ることがないです。お箸でトウモロコシの粒を一つずつ挟んで、口に運ぶこともできます。

 

お箸に泣かされている外国人は多いです

 

とは言え、スプーンを使わず、お箸だけできれいに食べられない料理はまだあります。例えば、去年岐阜県の白川郷に一泊したときの、夕食の揚げ魚です。割り箸しか提供されなくて、どうやって優雅に、上手く食べられるのか。私にはそれは無理でした。

 

 

隣の机を挟んで座っているタイからの若い女性とお母さんも私と同じように、割り箸で揚げ魚と精一杯で闘っているように見えました(笑)。

 

実際の状況はわかりませんが、お箸に泣かされた外国人はあるいは多いかもしれません。

 

前に秋田でたまたま出会ったスウェーデンからのご夫婦は、秋田国際教養大学で勉強しているお子さんを訪ねに行くついでに、他の町にも旅行に行ったそうです。「日本で慣れないことはありますか」と訊いたら、お箸が苦手だなぁと教えてくれました。

 

お二人は、ある小さな町にあるラーメン屋で、フォークをお願いしたら、子供用の小さなプラスチックフォークしかもらえなかったそうです。しかも一本だけでした。お店の人はすまなそうにしていたけれども、フォーク一本しか見つけなかったらしかったです。

 

仕方ないですね。小さな町なので、 お箸が苦手なお客様が店に来ること普段はあまりないかもしれませんね。
そう考えると、お箸が苦手な人は日本へ行くなら、必ずマイスプーンとマイフォークを持って行ったほうがいいですね。

 

(著者紹介)リー・リン

翻訳家。2013年の秋に、クアラルンプールにある国際交流基金JFKLで、日本語の勉強を始めました。2年半ぐらいで日本語教室に通っていましたが、今は自分で本を読んだり、ドラマを見たりして、日本語の勉強を楽しむようにしています。中華系マレーシア人。