icon-plane 東南アジア的テキトーのススメ 第九回 東京で考えたこととその現実

東南アジア的テキトーのススメ 第九回 東京で考えたこととその現実

 

 

 久しぶりに東京に戻り、またもやいろいろと考えさせられました。今回は今までとはちょっと趣を変え、東京でうつについて考えたことをお話します。

 

風邪でも休めない日本?

 

 まずは写真をご覧ください。これは東京のとある電車のなかで見かけた広告です。

 

「風邪でも絶対に休めないあなたへ」

 

 

 これを見たとき、私はギョッとしてしまいました。風邪を引いたら薬を飲んででも仕事をしろと言っているようなものだからです。

 

 そもそも人間の体のどこかしらに異変が起きると風邪などの症状として現れます。もちろん昔も今も薬を飲んで病気を治すのですが、この風邪薬は眠らないまま風邪を治すという、私にとっては恐ろしく映る薬です。体調が悪くなれば、人間は休む必要があります。この製薬会社は「休みを取らずに働こう」と言っているようにも聞こえ、今の「働き方改革」の風潮にまったく意に反した薬ではないでしょうか。

 

 アジアにはこういった薬の謳い文句はありえません。おそらく日本だけこういったものを作れるのでしょう。マレーシアでは、少しでも頭痛や腹痛がすれば、みな休みます。幸か不幸か、マレーシアやタイにはMC(病気欠勤)が法的に認められ、1年に14日ほど設けられています。日本だと病気をして休めば、有給が削られますが、マレーシアではMCを使って病気をしたときに休み、有給は別途あるのです。病気で有給を使うことはまずありえません。

 

 つまり、この日本の薬の謳い文句で考えてしまったのは、そこまでして完璧に働かないといけないのかしらとも思ったのです。休まなければならないときに働いていると精神的にも疲れ果てるのは明らかです。なぜ自分の身体に鞭打ってまで働かないといけないのでしょうか。

 

旧友の死で考えたこと

 

 もう一つ、東京に来て考えさせられたのは旧友の死を知ったことです。久しぶりに幼馴染に会って知らされたことなのですが、中学校時代に同級生だった友人が昨年死亡していたのです。原因はいまもって不明ですが、幼馴染曰く、自殺であろうと。昨年に奥さんを亡くし、その1カ月後に後を追うようにして亡くなったのだと。

 

 彼のフェイスブックは公開してあるので、それを読んでみると、奥さんが亡くなる以前から抗うつ剤と睡眠薬を大量に飲んでいたようです。躁鬱を繰り返し、酒も浴びるように飲んでいる状況も書かれ、読むだけで悲痛な思いになりました。

 

 彼の場合はおそらく愛する奥さんが何かの原因で寿命が縮まり、死に直面することになったからでしょう。それが原因で本人もうつになってしまったのだと思いますが、もっと早く僕らが気づいていれば、彼を自殺にまで追い込むことはなかったのかなあと無念でなりません。

 

 人間はさまざまな苦難に直面します。その修羅場ではどうすることもできないときもありますが、その苦しさを超えれば楽しさや幸せも来るのです。苦あれば楽ありです。日本人の場合はその直面した苦難の経験が、うつに陥ってしまう方が多いような気がします。

 

 しかし、そういったときこそポジティブな考えをキープし、ポジティブに行動することが重要です。この点ではマレーシアの人たちはいつも上手に対処しています。苦難に陥ってもポジティブに行動することで、苦難が逃げていくのです。それを信じて行動するのがうつにもならない方法の一つでもあると信じます。

 

 うつなどと戦っている方々はたくさんいます。そういった方も少しでも、些細なことでもポジティブに考えられていければ、それはうつ回復の一歩にもつながるのです。

 

 旧友に冥福を祈りつつ、そういった方々の助けになればとも思います。

 

 
プロフィール:ちゃらんぽらん王子

 

海外滞在歴約20年。東京で編集の仕事をしていたとき、3年にわたりうつ病を患っていたが、東南アジアに移り住んで自然治癒して今に至る。現在はマレーシアを拠点。インドネシアやタイ、ヨーロッパにこれまで滞在。

記事掲載日時:2017年11月13日 10:40