icon-plane 東南アジア的テキトーのススメ 第十回 体育会系はうつの要因?

東南アジア的テキトーのススメ 第十回 体育会系はうつの要因?

 

 

働いているとうつはさまざまなことで生じます。そのなかでも特に人間関係で発病してしまう方が多いのではないでしょうか。会社内でのいじめや暴言、暴行と中学生レベルの対応に閉口する声もよく聞きます。これはどうも日本独特のものであるように思います。

 

近年の相撲力士の暴行事件で考えたこと

 

 横綱日馬富士が同じ相撲部屋の力士に暴言・暴行を加えていた事件はまだ記憶に新しいところです。この事件だけでなく、相撲力士の間での同様の事件はもうずいぶん前から立て続けに発生しており、その多くは刑事事件にまで発展しています。この一連の流れをみていると相撲の親方や力士の間では一向に改善する気配すらなく、今回も「またか」と思ったと同時に相撲に対する興味すらなくなってしまいました。

 

 この事件は一般人にも他人事ではないと思います。某大手広告代理店Dや引越会社Aなど従業員を虫けら同然に扱っているブラック企業は跡を絶ちません。残業時間が長い、夜中12時でも上司から仕事の電話が来る、上司による暴言や暴行などパワハラが横行する会社はまだ多いのではないでしょうか。高校や大学で経験した体育会系の歪んだ先輩後輩関係を会社に持ち込んでいるがゆえに、従業員をうつにしてしまっているところもあるでしょう。

 

 そもそも会社は大学の体育会系の部活ではありません。利益を得るための団体であって、そのためには従業員全員のチームワークが必須。誰かの前で怒鳴ったり、暴行をしたりするのは、従業員を萎縮させるだけで、何のメリットもありません。「その人のため」というまったく説得力のない言い訳をする人がいますが、それは人に対する侮蔑、基本的人権の欠如、そして自分は頭が悪いと表明していることと同じです。スポーツを通じてそもそもそういったことは習わなかったのかという根本的な疑問も湧いてきます。

 

 マレーシアでももちろん高校や大学などで体育会系の部活はありますが、文化的な背景もあって先輩後輩という関係はほとんど成り立ちません。こういった関係が会社内にも持ち込まれるというのは皆無なのです。暴言や暴行といったパワハラが発生すると、ローカルの場合は労働関係当局に通報して、捜査を受けることも覚悟しないとなりません。以前にもお話しましたが、アジアでは人前で怒鳴ったりするのはご法度。インドネシアだと暴言を吐いた人は殺される確率が非常に高いです。

 

歪んだ体育会系的会社とは縁を切ること

 

 アジア諸国の日系企業でもこのようなブラック企業がきっとあるでしょう。日本では法的な措置が下されるため、ブラック企業もそれに従わざるを得ませんが、海外となるとその目は行き届きません。シンガポールや香港、台湾などでは法制度もしっかりしているので、従業員が訴えれば、労働関連当局が調査に乗り出すと思いますが、法的にしっかりしていないところだとそうもいきません。やられた側は泣き寝入りということにもなりかねません。

 

 最近、私の周りでマレーシアでうつになってしまう日本人の方がいると聞いています。会社での問題が原因とはいい切れませんが、もし大学の体育会系部活の延長のような会社で働いているのなら、働かないことに越したことはありません。それは改善方法がないからです。頭の悪い経営者を質すのは容易ではありませんし、また耐え忍んでそんな会社にいたとして精神的体力的な負担が増え病気になるだけです。ただでさえ無意識にストレスが溜まる海外で、日本と同様の労働環境ではいくら健康な人でも精神的にも体力的にも相当に疲れ果てるに違いありません。挙句の果てにはうつになりかねません。

 

 マレーシアの場合、ローカルでうつで発症する人があまりいないために巷には心療内科のたぐいの病院やクリニックはほぼ皆無に近いのです。数軒ありますが、患者が限られているためにどこまでしっかりと診察できるかも、個人的には不安です。このため、海外にいる場合はうつを発症させない予防策を積極的に取らざるを得ないのです。そう考えると無理してそういった会社で働くのはやめたほうがいいということになります。

 

 私が働いていた前の会社にも無用にそして些細なことで怒鳴る人がいて、こちらも頭がおかしくなるほどでした。私の場合はさっさと退職届を出してその会社とは縁を切りました。一番上の上司には引き止められましたが。それが今でも一番の解決方法だったと思っています。マレーシア流に「ハッピーでなければ、働く意味がない」からです。

 

 体育会系出身で働いている方々は多くいますが、もちろん全員が上記のような方々ではありません。バランスの取れた経営をなさっている立派な体育会系出身の方々ももちろん多くいらっしゃることはみなさんもご承知でしょう。ごく一部の頭の悪い、時代錯誤的な人、歪んだ関係を求める人が経営する会社が問題なのだと思います。
 

 

 

 

 
プロフィール:ちゃらんぽらん王子

 

海外滞在歴約20年。東京で編集の仕事をしていたとき、3年にわたりうつ病を患っていたが、東南アジアに移り住んで自然治癒して今に至る。現在はマレーシアを拠点。インドネシアやタイ、ヨーロッパにこれまで滞在。

 

記事掲載日時:2017年11月27日 00:31