icon-plane 東南アジア的テキトーのススメ 第十回 公私のメリハリをつける

東南アジア的テキトーのススメ 第十回 公私のメリハリをつける

 

 

 マレーシアの人たちをみていると公私にメリハリを付けている人たちが多い気がします。一方で、日本人の場合、前回お話した歪んだ体育会系な関係を仕事とプライベートにまで持ち込み、公私混合している人たちが多いように思われます。公私にメリハリをつけることは、うつを防止する役割もあるのではないでしょうか。

 

  

残業しない宣言の効果

 

 私は基本的に残業はしません。以前にもお話したとおり、長時間労働に悩まされた時期もありましたが、日本にいたときから残業はしないと宣言をして働いています。残業をしないことで、これまで大きな成果があったと思っています。

 

 残業というのは残った仕事を勤務時間外にやるということですが、私の場合は基本的に勤務時間内に済ませ、超緊急でない限り、翌営業日にすべて持ち越します。残業をすると疲労で頭がぼけたり、間違いを起こしたりすることもあり、いいことはまったくありません。

 

 残業をほとんどしなくなったことでいいことがたくさんあります。まず、自分の時間を確保できるようになったこと。ジムに行ったり、読書をしたりなど自分の好きなことをしてリフレッシュすることができます。また、残業をしなくなることで、友人とも会うことができます。気が合う友人と話すことで、悩みを聞いたり話したりすることでストレスの解消にもつながります。これらは人間にとって非常に重要です。頭のなかのストレスを解消して爽快にさせることで、長い目でみると仕事に効果的に働くのです。

 

 さらに、勤務時間内に終わらせようと考えるため、仕事の効率も上がります。人間がもっている時間は有限であり、その限られた時間のなかですべてこなさなければならない場合、どう効率よく早く終わらせるかを考えられるようになります。逆にいつも残業しているとなあなあになって永遠に仕事を続けるということになってしまいます。

 

 マレーシアの人たちは実に公私のメリハリをつけています。私が働いている現在の会社やこれまでの会社でローカルの人たちはほとんど残業をしません。残業代が出ないということもありますが、残業代が出たとしてもしない人が多いのです。

 

 それは心の切り替えを明確にしている証拠でもあります。マレーシアの人たちは自分の時間を趣味などに費やす人も多いのですが、日本以上に家族を大事している人たちも多く、家族との時間を確保することにも十分配慮しています。家族で食事に行ったり、旅行したりと心の拠り所を家族に求め、リラックスしているのです。こうすることで、仕事で嫌なことがあっても悩みを打ち明けたりすることで問題解決を図ったりしているのだと思います。これはある意味で精神的な負担を分散させているともいえます。

 

有給を使ってリラックス

 

 日本だと体調が悪くても仕事をしないといけない風潮があります。第9回目でご紹介した、東京で撮影した薬の広告の写真を例にとってもわかります。私も多少の風邪ぐらいでしたら、仕事はしますが、熱が出たりした場合は必ず休みます。病にかかることは人間の身体が正常に動いていない意味ですので、休む必要があるのです。マレーシアの場合は「気分が優れない」という理由だけで休む人も多く、仕事が忙しいときは大変に困るのですが、仕方がないと諦めるしかありません。

 

 マレーシアの場合、病気で休むときはMCという制度を使います。MCはMedical Certificateの略で医療機関が発行する「病気で休む必要のある証明書」を意味しますが、病欠の意味で通常使われています。MCは有給とは別に年間14日ほど認められています。つまり、有給(会社が年間14~20日支給)を使って病気で休むことはまったくないのです。

 

 日本では考えられない制度ですが、有給はリフレッシュ向けという意味合いが強いようで、ローカルは有給をすべて消化します。これは公私にメリハリをつけて生活していることの現れでもあります。有給は労働者の権利ですので、自分のためにすべて使い切ることに対して文句を言われる筋合いはありません。

 

 しかし、日本の場合、有給を全部使うことをどこかためらう雰囲気があるのはなぜでしょうか。休暇の取得している日や土日に仕事で連絡する人がいますが、これはどうかと思います。頭と身体をリフレッシュするには仕事から離れて休む必要があります。公私の時間を明確に分けてストレスを解消することで、うつを回避することは可能なのです。

 

 

 

 
プロフィール:ちゃらんぽらん王子

 

海外滞在歴約20年。東京で編集の仕事をしていたとき、3年にわたりうつ病を患っていたが、東南アジアに移り住んで自然治癒して今に至る。現在はマレーシアを拠点。インドネシアやタイ、ヨーロッパにこれまで滞在。

 

記事掲載日時:2017年12月11日 09:26