icon-plane 東南アジア的テキトーのススメ 第十二回 アジアから学ぶ

東南アジア的テキトーのススメ 第十二回 アジアから学ぶ

 

 

日本はアジア諸国のなかでも突出して発展した国ですが、そろそろアジア諸国の人々から学びましょう。西洋に追いつけ追い越せはいいのですが、根本的に文化が違うので、西洋人の精神面でのリラックス方法はおそらく真似はできないと思います。そこで見習えるのがアジア諸国の人々の生き方なのです。

 

友人の働き方をみていて

 

 昨年久しぶりに幼友達に連絡しました。彼は家族がいて、マイホームも購入し、同じ世代として羨ましい限りですが、その働き方は目を疑うほどです。

 

 ある企業で営業の仕事をしているのですが、大量のリストラが社内で始まり、生き残りをかけていると。プレゼンやテスト、企画書の提出、会議、出張、接待などなど文字通り朝から晩まで働き詰め。メールもいつも未明に送ってきて、自分でも過労死するのではないかと心配しているほどです。
 昨年11月には風邪を引き、憩室炎という大腸の病気に罹患。今年に入って完治したものの、さらに何かしらの病気にかかっている状態で、慢性的なストレスによるものではないかと危惧しています。

 

 メールの文面からかなり疲労が伺えたので、「そういった働き方をしていては鬱になるよ」と警告はしましたが、職を失って家族ともども露頭に迷ってしまうのを懸念しているのでしょう、ほとんど耳を貸さずに黙々と働いているのです。「働き方改革」と政府主導でお題目のように唱えてますが、実際はこれが日本の現状なのでしょう。

 

日本企業と東南アジアの企業の働き方の違い

 

 日本は1980年代以降に先進国入りしました。60~70年代の高度成長期に欧米をモデルに見よう見まねで大きく発展したためです。今の日本はそれを土台に、さまざまな企業が欧米に追いつけ追い越せを繰り返して一番を争ってきました。その結果、自動車産業など世界に誇れる多くの企業が今でも頑張っています。

 

 そして、先進国であるがゆえに、各企業は世界で一番であることを強く認識し、それが当然であるとも考えているでしょう。しかし、残念ながら、世界でよく知られた日本企業はどんどんとモラルの面で衰退しています。不正を隠して歴代社長会長が逮捕され、安全な車を作れないM社のほか、最近では欠陥エアバックを世界中にばらまいたT社、製品データ改ざんを繰り返して世界の鉄鋼業界に悪影響を与えたK社、そして不正会計で風前の灯火のT社などなど日本の大企業はこぞって嘘をつき、そして不正を働き、まるでモラルのない発展途上国の企業のように成り下がってきているのです。

 

 世界の中での競争に打ち勝つため、最後の手段として不正を行ってきた理由もあるのでしょうが、世界で有名な日本企業がこんなことをしていていいのでしょうか。そこで働いている人たちもかなりのプレッシャーを感じながら、ときには鬱になりながらも頑張ってきたのだと思いますが、こういった不正や不祥事はそんな努力も一切吹き飛ばしてしまい、水の泡と化しているのです。何のために企業で働いているのでしょうか。

 

 一方で、マレーシアなどアジア諸国の多くは、現在でもいわゆる発展途上国と言われています。植民地時代を経て戦争も経験して経済がほとんど機能せずに戦後独立。地場企業にも国際的な競争力をほとんどもたずに国内または周辺国だけでビジネスを展開する企業が多かったのです。もともと先進国には太刀打ちできないという意識が今でも残っているのか、働く意識にも相当な違いがあるように思えます。世界で一番であることが当然である日本と働き方に違いがみられるのも当然でしょう。

 

 これまでもずっとお伝えしてきたとおり、少なくともマレーシアの人たちはハッピーでなければ職場で仕事はしません。ハッピーである状況で働いたほうが結果的には会社にとっても極めていい結果が出るのではないでしょうか。その結果、マレーシアの企業が次々といい業績を上げていっているのは無関係ではないはずです。人間らしく生きながら仕事をすれば自ずと成績は上がるのではないでしょうか。

 

 つまり、ここで最後にお伝えしたいのは、アジアでの働き方を大いに参考にして、ハッピーに仕事をしましょうということなのです。誰でも職場でストレスを抱えながら仕事をするのは好きではありません。これまでの日本のやり方はもう通用しなくなってきているので、アジアから学び鬱のない生活を送っていきましょう。

 

 

 

 
プロフィール:ちゃらんぽらん王子

 

海外滞在歴約20年。東京で編集の仕事をしていたとき、3年にわたりうつ病を患っていたが、東南アジアに移り住んで自然治癒して今に至る。現在はマレーシアを拠点。インドネシアやタイ、ヨーロッパにこれまで滞在。