icon-plane マレーシアの中華正月で干支の「犬」が自粛される理由

マレーシアの中華正月で干支の「犬」が自粛される理由

 

多文化社会のマレーシアでは、新年になるとショッピングモールなど公共の場が、クリスマスから旧正月の干支の飾りつけに変わる。しかし、戌年の2018年は干支の置物が少ない。人口の大半を占めるイスラム教徒への気遣いと見られる。その理由を解説する。(マレーシアマガジン=リー・リン)

 

毎年、中華正月の時期になるとショッピングモールなどに登場する干支が、今年はあまり見られない。2018年の干支は犬。マレーシアのイスラム教にはいろいろな宗派がある。豚肉を食べないことについては全てのイスラムの流派の意見が一致するが、犬に対する同じイスラムでも流派によって異なる。

 

犬が不浄な動物で、犬を触れることがタブーされ、触ったら7回、そのうち1回は砂、洗わなくてはいけないと主張する流派(スンニ派のシャーフィー学派)もあれば、犬の唾液だけ汚物と見られ、犬の体に触れることは禁止されない流派(スンニ派のハナフィー学派)もある。さらに、スンニ派のマーリク学派では、犬はタブーな動物ではないとする。

 

スンニ派のシャーフィー学派が主流になっているマレーシアは、シーア派を禁止しているものの、スンニ派の他の三つの法学派ーーハナフィー、マーリク、ハンバルーーは許されている。マレーシア政府のイスラム開発局(JAKIM)は、ムスリムは犬を飼えない、犬との余計な接触はイスラム教に背く行為だと判断している。

 

一方、JAKIMの主張を異にするムスリムもいる。例えば、2014に「犬を触りたい」というイベントを主催した薬剤師Syed Azmiや、2015年亡くなった前に、700匹の野良犬と200匹の野良猫の面倒を見るため、力を尽くしたPak Mieだ。

 

つまり、犬がに触れることがいけないと感じるマレーシアのムスリムは多数かもしれないが、犬の扱いは人によって違う。その上、犬のイラストや飾りなどタブー視され、遠慮されるのは、イスラム教の教義への誤解がもたらす振る舞いにすぎないと示唆する声もある。

 

記事掲載日時:2018年02月02日 08:45