icon-plane 燕三条ライフスタイル初上陸 in マレーシア

燕三条ライフスタイル初上陸 in マレーシア

 

1月18日~31日にかけ、新潟県燕市・三条市のポップアップストアが、Isetan the Japan Store(クアラルンプール)で開催された。(マレーシアマガジン=渡部明子)

 

マレーシアに見合う販売戦略構築を目指す

1月18日~31日、金属加工で著名な新潟県燕市・三条市のポップアップストアが、クアラルンプールのItetan the Japan Storeで開催された。マレーシア展開を見据えた売れ筋把握のためのテスト販売、ならびに燕三条製品のブランド浸透が目的だ。ジェトロ新潟およびクアラルンプール、燕三条地場産業振興センターが実施し、10社の98商品が展示・販売された。

期間中は、来店者向け体験コーナー(B to C)、小売店やバイヤー、レストラン・カフェ経営者を迎えた紹介セミナー(B to B)などの企画が展開されるとともに、國定勇人三条市長によるトップセールスも行われた。


國定勇人氏(燕三条地場産業振興センター理事長兼三条市長)

 

低価格競争に飲みこまれないためのブランド浸透を図る

伊勢神宮の式年遷宮のための和釘と金具の提供依頼を受けるなど、国内では品質に定評がある当地の製品だが、海外での評価はどうか。実は、燕三条の各メーカーの優れた製品群は、国際見本市等を契機として、ドイツ、イギリス、中国、ロシア、ベトナムなどにすでに進出。

すでにヨーロッパ諸国ではブランドの浸透に成功。山崎金属工業(燕市)のカラトリーは、1991年の「ノーベル財団設立90周年」以来、ノーベル賞晩餐会(ストックホルム)で使用。また、フレンチのジョエル・ロブション氏のレストランでも愛用されている。

「確かな職人技術を踏まえた高品質の品々が低価格競争に飲みこまれないためには、製品の背景にあるストーリーをしっかりアピールし、ブランド浸透を図ることが重要な戦略」と、阿部稔氏(燕三条地場産業振興センター・海外販路支援部)は説明する。


山崎金属工業のカトラリー

 

アイデア性とクオリティを両立

従業員数わずか47名ながら、アイデア抜群のキッチンウェアを生み出すオークス株式会社も、デモンストレーションを行った。トマトやアボガドを、技術を要さず綺麗に皮だけを残してくり抜く“ベジココットスプーン”や、蜂蜜をたっぷりすくえてキレイにきれる“くるりとハチミツスプーン”には、調理器具体験コーナーの来店者も驚きの声を上げていた。

また、厚さ4.5㎜を実現した家庭用“大人の鉄板”は「スーパーの肉で高級鉄板焼きステーキとなる」と料理好きの注目を集めた。この他、100年使用可能な箸、一生ものの美容師用ハサミ、盆栽ハサミなど、職人技の詰まった品々が、訪れる人々を魅了した。


ハチミツをキレイにきれる”くるりとハチミツスプーン”

 

マレーシアの人々とともに企画を練ることが鍵

ハイエンドを目指してチャレンジする燕三条の企業らは、これまで15年間に渡り海外進出を試み、前述のとおり、欧州諸国では実績を挙げている。一方、アジアでは苦戦が続く。シンガポールを拠点として6年間かけて浸透を図るも、「物作り文化を背景とするストーリーが消費者層の琴線に触れない」のだという。

ところが今回、マレーシア初となる同イベントを開催したことで、光明を見出せたと國定市長。鶏肉解体業者が、盆栽用のハサミを購入していくというのだ。そういえば筆者も、当地のシーフードレストランでロブスターの殻と奮闘していたときに盆栽ハサミを手渡され、結果として美味しくいただけたとことを思い出した。このようなコペルニクス的転回は、日本人では思いつかない。「『例え高価格帯であってもぜひ購入したい』という層の発掘を図るべく、マレーシアの人々とともに、マレーシア市場に見合う展開を進めていきたい」と、同市長は意気込む。


マレーシアでは様々な用途に用いられる盆栽用ハサミ

 

EPAを利用し、日本国内との価格差を抑えることに成功

この度、燕三条の各製品は、日本・マレーシア経済連携協定(EPA)を利用することで、極限まで日本国内との価格差を抑えることに成功。例えばオークス社の“くるりとハチミツスプーン”を例に挙げると43%のコストダウンを実現した。
消費者目線として、日本の優れた品が手に取りやすい価格となるよう、今後一層の協定利用が期待される。

 

記事掲載日時:2019年02月08日 09:59