icon-plane 「マレーシアの英語って実際どうなの?」に答えてみました

「マレーシアの英語って実際どうなの?」に答えてみました

 

マレーシア留学を検討している方の疑問は、「マレーシア留学は実際英語力上がるの?」「欧米留学と同じくらいの英語力を養えるの?」「そもそもマレーシアの英語ってどんな感じなの?」などなど多彩です。マレーシア英語がイメージできない方もいらっしゃると思います。そこで今回はマレーシア英語について、そしてここで勉強してみての実際の英語力の伸びをお話ししたいと思います(マレーシアマガジン=上地依理子)

 

多様性を感じるマレーシア英語

 

マレーシアはマレー系、インド系、中華系、先住民族が住んでいる多民族国家で、多様性を感じます。東南アジアの中心に位置しておりアジアだけでなく世界各国からの人で溢れる国際色豊かな国です。国内だけでもさまざまな民族が同居している国家なので、基本英語が共通言語のようになっています。

 

そんな国家だからこそ英語のアクセント、喋り方も多様です。また、マレーシアでは
「発音の正確さよりも伝えることが大切」
「とにかく自分の意見を言わないと会話のスタートラインに立つことができない」
と思うことがあります。

 

なのでマレーシア英語はネイティブとは異なった発音をする人が多いです。強いアクセントを持っている人も多くいます。

 

 

初めて来たときは少し見下していました

 

初めてマレーシアに来た時、私はまだ日本の大学に在籍していました。ネイティブの先生による英語の授業を週に5回受けていたので、自分の英語に対して自信がありました。

 

しかしマレーシアに降り立ったときから試練が始まっていました。
今まで聞いたことのない強いアクセント。英語の授業よりも早口な喋り方。
全く聞き取れなかったのです。
最初は、
「なんでこんなアクセントでしゃべっているんだろう」
「発音直す気はないのかな」
と少し見下していました。

 

しかしマレーシアに数日滞在してわかって来ました。発音を気にして喋らなければ、コミュニケーションを閉ざしてしまうことになる。マレーシア人の英語は発音、正確な文法に重きを置いているのではなく「自分の思いを伝えること」だということ。

 

マレーシアの英語に数日間触れ、私の英語でのコミュニケーションの概念が変わりました。綺麗な発音で喋ることがゴールではないのだ、結局会話は伝えること、内容を相手にしっかり理解してもらうことなのだと。

 

 

一年すると英語の方が先に出てくるようになった

 

大学生活が始まったときは、すでに何度か来ていたので、マレーシア英語の発音に対して抵抗はありませんでした。

 

しかし生活する、英語で勉強するとなるとまた印象が変わりました。以前マレーシアに来た時は慣れない発音に苦労しましたが、大学に入ってからはマレーシア人の話すスピードの早さや英語力そのものに圧倒されてしまいました。

 

日常生活では友達が会話するスピードについて行けず、内容はわかるのに返事ができない、返事をしようとしても会話がどんどん変わっていってしまう、そんな状況になることが頻繁にあり、グループでの会話では聞き手に回ることが多かったです。また、大学の授業でもグループディスカッションでマレーシア人の英語力の高さに驚きました。日常会話で使う英語とまた別の英語を使っている印象でした。

 

日常ではフランクでブロークンな英語で喋っている印象でしたが、授業では反対に高度なアカデミックな語彙や文法を使い分けていました。一方私は英語で講義を聞く、ディスカッションを英語でする環境に慣れていなかった上、語彙も文法力もマレーシア人の友達に到底追いつけるようなスキルに達していませんでした。

 

しかしこの学校は私が一年生の時、日本人が私しかいなかったため、自ずと英語力が伸びる環境にありました。大学では基本的に英語のみで生活し、分からないことを英語で聞き、英語で解決策を導く。

 

友達と会話をしていく中でよく使う単語を学んでいきました。日常生活ではブロークンな感じ。よく会話の最後にlaをつけるなど、マレーシア人がフランクに話す英語を学びました。

 

逆に学校の課題ではアカデミックな英語が求められるので、そこでしっかりした文法を身につけました。あとさまざまな学術論文を読んだことも文法力アップに上がったと思います。今振り返ると文法や単語は自分が気づかないうちに増えていきました。多くは会話で「あ、この単語ってこういう使い方できるんだ」とか「このフレーズみんなよく使っているから使おう」と会話の中から学びました。

 

そんな生活をしていたからでしょうか、一学期が終わり年末に日本に帰ったとき、英語の方が先に出て来てしまうという状況になっていました。

 

大学二年生になって感じた自分の英語力の伸び

大学二年生になって英語力も安定し、上達したと実感するようになりました。

 

学校では、専攻の学術的な語彙力も増えたこと、2000字以上のエッセイを書けるようになったことが大きいと思います。私の学部は特に2000ー5000文字の英語で学術論文を書く課題がほとんど。書くことに対する抵抗も減り、アカデミックな文法力も向上したと思います。

 

毎回の授業で20−30ページの学術論文が課題として出されるので、政治や国際関係の語彙をたくさん学べました。また、意味を知っているだけではなく、世界の状況で言葉がどのような意味を持つのか、より具体的にアウトプットしていく形で言葉の意味を理解できました。

 

日本で英語を学んでいた時は、「1つの英単語につき1つの意味」という、一問一答風な覚え方をしていました。でもマレーシアでは英単語を意味として捉えるだけでなく、日常や文章でどう使うのか、アウトプット方式で単語の意味を理解できました。マレーシアで勉強することでより具体的な使い方を理解できたと思います。

 

また、学校の授業ではセミナーで、分からないことを自然に質問できるようになり、クラスメイトとも対等にディスカッションできるようになりました。また、日常生活においてもマレーシア人の話している英語がわからないということは一切なくなりました。

 

マレーシアで学んでよかったこと

 

マレーシアで学んでよかったと思ったことの1つにいろいろな英語に触れて、どんなアクセントの英語が来ても対応できるようになったことがあります。

 

学校で聞くようなリスニングのお手本の英語のような発音でなく、さまざまなアクセントを話す人たちと会話することによってどんな英語でもわかるようになりました。逆にリスニング力を鍛えるには最高の留学先だと思います。マレーシアは多民族国家であり、その影響はマレーシアで話される英語にもあらわれています。さまざまな英語を聞き、どんな英語にも対応できました。マレーシアにきて英語を勉強して本当によかったと思っています。
ブログ:えりんぎのノッティンガム大学日記 (https://www.eringilife.com/)

記事掲載日時:2019年04月10日 15:18