icon-plane 【AniManGakiレポート】ヨコオタロウさん、田浦貴久さん インタビュー編

【AniManGakiレポート】ヨコオタロウさん、田浦貴久さん インタビュー編

 

2019年8月31日と9月1日の二日間、アニメ・漫画・ゲームのイベント「AniManGaki 2019」が開催されました。今回は、日本からのゲストにインタビューしました。(マレーシアマガジン=林田健太)

 

2019年8月31日と9月1日の二日間、アニメ・漫画・ゲームのイベント「AniManGaki 2019」が開催されました。場所は、Mines International exhibition & convention centre。

 

本イベントではマレーシアのゲームクリエイターやアーティストたちがイベント出演し、日本からもゲストが呼ばれました。今回はそのゲストのうち、ゲームクリエイターのヨコオタロウさんと田浦貴久さんにインタビューしました。

 


田浦貴久さん(左)と ヨコオタロウさん(右)

 

ヨコオタロウ プロフィール

 

2015年に株式会社ブッコロを立ち上げ代表取締役に就任。
ゲーム・ディレクターとして、活躍。アクションゲーム「NieR:Automata(ニーアオートマタ)」ではスクエア・エニックスの開発に個人でゲーム・デザイナーとして参加した。

 

田浦貴久 プロフィール

 

株式会社プラチナゲームズに所属。
アクションゲーム「NieR:Automata」でゲーム・デザイナーとして開発に携わる。
2019年8月30日にプラチナゲームズでゲーム・ディレクターとして開発に関わった。NieR:Automataのほか、代表作には「アストラルチェイン」(発売元:任天堂)がある。

 

アクションゲーム「NieR:Automata」とは

 

2017年2月23日にスクウェア・エニックスより発売されたPlayStation 4用アクションRPGです。海外では、2017年3月7日に米国で、同年3月10日には欧州で発売されました。
同ゲームは、世界累計出荷・ダウンロード販売本数が400万本を突破。アクションのクオリティや壮大なストーリー性が世界中で大人気となっているゲームです。

 

ゲーム業界ではビッグネームなこのお二人に記者たちもみんな緊張して初めは質問が出ませんでしたが、ヨコオさんが 「Finish?」と冗談を言って場の空気を柔らかくしていました。

 

今回は、マレーシアで人気のNieR:Automataを中心にお話を伺います。

 

ヨコオタロウさん、田浦貴久さんインタビュー

 

Q. ゲームクリエイターになったきっかけはなんですか?

田浦さん:
ゲームデザイナーになりたいと思ったきっかけは、物心ついた時からヨコオさんのようなゲームクリエイターが活躍していてかっこいいなと思ったためです。

ヨコオさん:
そんな歳離れてないけどね。僕の理由は初めて遊んだゲームがコナミの「GRADIUS(グラデュース)」というシューティングゲームでした。それが衝撃的で。それまでのゲームは同じ面を繰り返すものが多い中、グラデュースは面がすごく変化するゲームだったんです。いずれテクノロジーが発展したら、CGが高性能になるので映画もテレビも新聞も全部テレビゲームに置き換わると思ってこの業界に来ました。

 

Q. ヨコオさんはNieR:Automataで実生活からインスピレーションを受けてゲームに落とし込んだことはありますか?

ヨコオさん:
いろいろあるんですが、一番はアメリカの911の事件です。とてもショックで、
人はなぜ憎み合うんだろうということを考えさせられました。それがニーアにいろんな影響を及ぼしたと思います。今でも答えはないのですが、今でもそれを考えながら作っていますね。

 

Q. NieR:Automata開発時にコンセプトになったもの、考えていたことはなんですか?

ヨコオさん:
*前作を楽しんでくれた方に引き続きプレーしていただけるということを一つ考えました。
ただ続編から遊んでくださる人もいるので、続編からでも楽しめることを意識しました。あとはアクションゲームが得意じゃないけどRPGで遊びたい人がスクエアエニックスさんのお客さんにはいたのでそういう人への仕組みを田浦さんが入れました。いかに初心者に向けて簡単にしたかは田浦さんが今から説明します

*前作とは、ニーアシリーズの『ニーア レプリカント』(NieR RepliCant)および『ニーア ゲシュタルト』(NieR Gestalt)のことを指す。2010年4月22日に株式会社スクウェア・エニックスから発売されたアクションRPG。ニーアオートマタはこの二作の続編。

田浦さん:
んん……?(笑)。
まあ、基本的にはボタンの入力の配置を完全に前作と同じにしています。前作を遊んだ方が、迷わないようにしたり プレイヤーの動きは速いけれど、敵の動きは遅く設定したりと。ゲームが苦手な方でも遊べるようにしたりと全体通して細かく工夫を凝らしていますね。

 

 

Q. お二人がまた一緒にお仕事をするとしたらどんなゲームを作りたいですか?

田浦さん:
これといった特定のものはまだありませんが、ニーアオートマタをヨコオさんと一緒に作ったり、プラチナだけでアストラルチェインを作った
りしてどちらも楽しいなと思ったので、一緒に作る機会があればまた一緒に作りたいですね。叶うのかどうかはわかりませんが。

 

Q. NieR:Automataユーザーとしてニーアの続編だったり関連のゲームを期待してもいいですか?

ヨコオさん:
スクエニさんに聞いてください笑

(一同爆笑)

 

Q.最近の北米のゲームでは有料なものが増えています。(ガチャなど)これに関してはどう思いますか。これらの要素を今後自分たちのゲームに組み込むことはありますか?

田浦さん:
僕はそれまでガチャゲームを作ってきたことがないのと、僕自身ゲームをプレイするときに課金はあまりしないので、個人的には好きではないです。ただ、それをやって得られるものがよかったらいいと思いますし、それを楽しんでいる人たちもいるのでガチャの存在自体はいいんじゃないかなと思います。ヨコオさんは SINoALICE(シノアリス)というゲームを作ってガチャで稼いでいるという噂を聞いていますよ。

ヨコオさん:
僕は田浦さんが言ったように、シノアリスというガチャのゲームを作ったのですが、実は今までガチャを引いたことがないです。(笑)

ぶっちゃけると若い世代の作ったシステムなので僕ら年寄りにはよくわからないという感じなんですよね。ただ、僕はゲームの表現は自由であってほしいと思うので、いろんなシステムが世界にはあっていいと思います。

でも最近のガチャとかはみんな似ていて、ちょっと飽きているのでもっと新しいシステムやゲームが出てくるといいなと思います。
例えば自分の命をかけて遊べるゲームとか。新しいゲームの可能性が広がるといいのにと思いますね。

 

 

冗談などで記者たちを笑わせながらも、質問への答えやお二人の掛け合いから仲の良さや信頼感などが垣間みえたインタビューとなりました。

 

マレーシアではこのようなアニメ、漫画、ゲームに関するイベントが度々開催されています。
12月21日と22日にもCOMIC FIESTA 2019という大きいイベントがKuala Lumpur Convention Centreで開催されます。もし興味があったら参加してみてはいかがでしょうか。

 

AniManGaki 2019

AniManGaki 2019

記事掲載日時:2015年09月12日 12:44