icon-plane マレーシアとの出会い

マレーシアとの出会い

マレーシアとの出会いは1996年にさかのぼります。

 
ひょんなことから、90年代半ばに、来日してきたマレーシア人と知り合いになり、仲良くなりました。

初めて会ったのは、池袋のサンシャイン前。小さなビジネスホテルの前でした。私とほぼ同年代の華人夫婦。
彼らは小さな子供3人をメイドさんに任せて置いてきました。これにはビックリしました。日本だったら非難されそうです。

 

マレーシアの子育てってずいぶん変わってるんだなぁ、とそのときは思いました。
この日は一緒に横浜に行ったのですが、マレーシア人があまり歩かないということを知らなくて、たくさんの距離を歩かせてしまいました。最後に二人が無口になっていたのは、相当疲れていたのだといまならわかります。反省です。

 
その数年後、2家族合同で2週間のマレーシア一周旅行をしました。KL-クアンタン、マラッカ、PD、そして最後に船でクリスマスクルーズ、という行程でした。

 
それまではDINKSとして5年以上生活していた私たち夫婦。
「子供は好き?」と聞かれて返事を濁していましたが、正直なところ、子供は苦手でした。
実際、初めて会った子供は私達を怖がって車の中で大泣き。そして大げんか。先が思いやられるなぁ~という感じでした。
ところが。
一緒に旅行するうちに、彼らの3歳、5歳、7歳だったやんちゃな子供たちがどんどん可愛く見えてきたのです。3人とも素直で、よく笑い、よく泣きます。お寿司屋では、ケンカしてお寿司投げてました。それでも本当に可愛かった。最後にはすっかり離れがたいほど子供好きになってしまいました。

 
それに、どこへ行っても家族連れが多く、女性同士やカップルは少数派でした。家族を持つことはごく当たり前なんですね。当時のKLはまだまだ素朴でしたが、こういう社会って悪くない、と素直に思いました。私たち夫婦が子供を持つことを決めたきっかけが、この旅行にありました。

 
その後もそのご家族と交流を続けました。
数年ごとに、お互いの国を行き来し、日本の我が家に一ヵ月近く滞在してもらうこともありました。韓国へ一緒に行ったこともあります。

 
成長する3人の子供たちには感心するばかり。よく学び、よく運動し、よく考えます。いまでも高校生、大学生の子供達は親と手をつなぎ、何でもよく話し、一緒に旅行します。試験は兄弟で励まし合い、お互いに結果が出ると抱きついて褒め称えます。小さな子供にも大変優しく、とくに男の子がよく面倒をみています。
そうこうするうちに、マレーシアに知り合いがどんどん増えていきました。

 
観察してみると、マレーシアの子供達、みんな不思議に素直で純粋なのです。こちらに長く住む日本人にも同じ雰囲気の子が多いことに気がつき始めました。
日本の子供とは何か違う……。なんというか、生きていて楽しそう。
それから10年ほどして、私たち夫婦にも子供が産まれました。
日本の子供達を見ていると、やはり何か違う。公園で一緒に携帯ゲームをする男の子たち、集団で歩くママたち、ファミレスの喧噪。
環境が人を作ると言われますが、いったいどこが違うんだろう?
私はそれがずっと不思議でした。
それを知りたかった、というのがマレーシアに来たいと思った1つの理由でした。