国語はマレー語。でも日本人よりみんな英語はずっと上手
マレーシア人の英語は日本人よりずっと上手です。
どれくらい上手かというと、EF Education Firstの『2012年度EF EPI英語能力指数』ではアジアでシンガポールに次ぐ第13位(日本は22位)。アジアではフィリピン、シンガポールと並んでトップクラスにあります。
しかし、ネイティブというわけじゃないんです。マレーシアの国語はマレー語です。たいてい、家では別の言語を話しています。インド人や中国人もいて、家では福建語やタミル語という家庭も多いです。テレビのニュースも多くはマレー語です。官公庁にいくとマレー語です。同じアジアでもシンガポールやフィリピンとは事情が異なります。
簡単な英語はどこでも通じますが、各自の英語力にはばらつきがあり、英語が得意でない人もいます。
時代によって変わるマレーシア人の英語力
マレーシア人の英語力は世代でも変わります。
近年、政府がマレー語回帰を打ち出したため、マレーシアの公立学校では、理数系科目はマレー語で教えることになりました。以前はすべての科目を英語で教えた時代もありました。そんなわけで、近年、英語力の低下がマレーシアでは問題になっています。
教師の英語力不足が言われたり、医師になる人が英語力が足りないため勉強を続けられなかったりという問題が出てきているんですよ。
英字新聞であるThe star!紙には年中、英語力を向上しようという記事が出ています。
マレーシア人の英語はなまっている?
とある米国人は、はじめマレーシアのインターナショナルスクールのインド人の先生が、何を言っているかさっぱりわからなかったそうです。中には「訛りが移って来た~」と笑ってるネイティブもいました。
反対に、ここで英語を習っているとある日本人の学生さんは、マレーシア人の英語なら聞き取れるが、イギリス人の英語は難しいそうです。
英会話を目的に来た方は、学費は張りますが、日本と同様、西欧人の駐在員向けの学校に入れるなど工夫が必要かも知れません。
可愛いマングリッッシュを覚えよう
さて、マレーシアにはマングリッシュと言われる特有の英語があります。発音もそうですが、マレー語や中国語などと混じった表現がユニークです。シンガポールのシングリッシュと似ていますが、Wikipediaにはマングリッシュ特有の文法やら語彙の意味まで書いてあります。http://en.wikipedia.org/wiki/Manglish
一見、流暢に話している人も、文法を無視していたりすることがあります。
とくに三単元のsなどはしばしば犠牲になっています。
だからこそ、マレーシアの人たちは、外国人の下手な英語でも辛抱強く聞いてくれます。
これ、大人になって英語を勉強した私のようなジャパニーズイングリッシュスピーカーには大変ありがたい環境です。
ここでの英語は異民族がお互いに意思を伝え合うための「手段」なのだと思います。
マレーシア人が何を言っているかわからないとき、「レッツマカンラー」みたいに、もしかしたらマレー語や中国語が混じっているかも知れません。
ソーシャルメディアなどを見ていると、ジョークの落ちがいちいちマレー語だったりします。そう、彼らは好んでマレー語や中国語を英語に混ぜています。
「シンガポール人は私たちを笑うかもしれないけど、マレー語と英語を混ぜたほうが、可愛く聞こえるでしょ」と言っている人がいました。
Twitterで5万人以上のフォロアーを誇る「Typical Malaysian」さんがつぶやいてました。
「マレーシアでは、一つの文章に複数の言語を混ぜるのはアリです。意味がわかれば、それでいいんです」
「語尾にラーを付けると、怒ってる感じとか、急いでる感じとか、助けを頼む感じとか、とにかくマレーシア人っぽい感じが出せますよ~」
東洋経済の連載記事のリンクです。
http://toyokeizai.net/category/malaysia
★マレーシアの教育環境について、良い点悪い点率直にまとめました。電子書籍版です。
★マレーシアに車なしで住むノウハウをまとめてみました。電子書籍版です
★フェイスブックで日本にいながら国際交流する方法を書いた書籍(角川書店から発売)です。私はこうしてマレーシア人をはじめ、フィンランド人、香港人などと友情を育んできました。
★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。