富裕層が集まる教育機関を取材していると、勉強時間の少なさに驚きます。
その勉強も知識を覚えるというより、答えの出ない問題を考えさせることが多いようです。
その代わり、学校で多彩な経験をさせます。コミュニケーション能力が重視され、グループ活動でリーダーシップを発揮する機会が豊富です。
友人の勧めで 「採用基準」(伊賀泰代)を読んで、なんとなく腑に落ちました。
この本、マッキンゼーの採用マネージャーだった著者が採用基準を明かし、「これからの時代にグローバルビジネスの前線で求められる人材とは」を語っています。
正直、コンサル会社(マッキンゼー)の採用基準なんてどうでもいいと思って読み始めたのですが、
必要とされる人材基準が、まさにエプソムなどの高級インターで行われる教育の基準と似ています。
マッキンゼーが採用時に求める基準とは、
①リーダーシップがあること
②地頭がいいこと
③英語ができること
の3つ。
さらにこの地頭というのは、「知識を頭から取り出すこと」ではなく、「考える力がある人」。
知識があることは評価されず、自分なりの思考プロセスがあるかどうか、その点を判断しているのだそうです。
そう考えると、昨日紹介したエプソムカレッジの教育を受けた人なら、この採用基準に合う人もたくさん出てきそうです。
合理的です。
著者によれば、日本人にはこのうちリーダーシップと英語力が「絶望的に欠けて」おり、
採用基準に合う学生を見つけるのが大変なんだそうです。
一方で、日本の一般的な会社の採用基準だと「素直にいうことを聞く人」「和を乱さない人」が入ってきそうです。
すると、受験で長時間の勉強に耐え、命令を深く考えずに実行する人材を採用するのが、理にかなってますね。
値段は張りますが、読む価値ありました。
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採用基準
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