マレーシアに来て、インターに入っても「英語ができない」→「友達ができない」→「つまらない」となるお子さんがいます。なかには、英語アレルギーになって帰っていく人もいます。
一方で、少数ながら、2−3年で英語優位になった、というお子さんもいます。
今回はそんなお子さんの保護者に話を聞きました。
前回までのお話はこちら→「どっぷりローカル」が鍵だった
徹底したローカルにこだわったというお母さん。ローカルの学校に入れるため、小学3年生だったお子さんは、学年を3年も落として幼稚園からのスタートとなりました。5歳と7歳の子供達、当時はABCも知らなかったそうです。
少し解説をしますと、マレーシアの学校に子供を入れようと思った場合、
日本人にとって入りやすいのは、日本人学校>インターナショナル(欧米系)>インターナショナル(ローカル)>ローカル学校
です。
ローカル色の強い学校ほど、難関になってしまうんですね。
実は「一年我慢して本人に自信を持たせて英語を完全にしたほうがいい」というのは、先生のアイデアでした。
すぐ友達ができ、家を行き来するほどの仲になり、二人の英語はあっという間に上達していきます。何しろ一人も日本人が他にいないので、日本語が入るスキがなく、英語をどんどん吸収するんですね。
二人とも素直な性格だったのも良かったようです。
「先生からも、英語が理解できなくて困っている、って言われたことはありません。
聞き取れないと友達に聞いたり、簡単な言葉で説明してもらったりしてたようです」
マレーシアの幼稚園の多くでは読み書きの基礎を教えます。しかし難しすぎないので、成績もよく、自信につながったそうです。
すぐ1年上に上がり、それでもしばらくは2年下で勉強しましたが、その後1年で元の学年に上がっています。
また初めの半年は、週2日英語の塾にも通いました。ここも日本人が一人もいない、ローカルがいく補習校にしました。先生はインド人。「たった一人でも日本人がいたら命取りになりますから」とお母さん。徹底してローカルにこだわりました。
もう一つ、このお母さん、学校と実に密にコミュニケーションをとっていました。
「幼稚園も学校も、多分日本人が珍しくて手厚くしてくれたと思う。運も良かったけれど、やっぱり親子ともになるべくローカルに参加しようという努力はしました。帰りに先生に様子を聞いたり、マメに電話したり」
幼稚園の先生もアフタースクールプログラムの先生も二人をとても大事に見てくれたそうです。
住んでいた地域でも日本人はひと組だけ。おかげでローカルの友達ができ、二人は1年終わる頃にはすっかり英語優位になりました。
3年経って日本に帰国しましたが、帰国時には二人とも英語が得意になり、学校では表彰されるまでになりました。下のお子さんは日本語も流暢ですが、結局日本でもインターナショナル・スクールに通うことにしました。今でもゲームなどで英語の保持は続けるそうです。多文化に慣れ、英語アレルギーをなくす、という目的はしっかり達成されての帰国となったようです。
話していて感じたのは、お母さんに、現地の人への「上から目線」が全くないこと。語学だけに重点を置くのではなく、学校や現地の先生を心から信頼し、良い人間関係を作ろうと努力したことが大きかったのではないかな、と思います。
語学の学習って大人も子供も変わらないですね。
英語が多少話せる人の多くが、こうした英語漬けの時期を通っています。
日本語を排除し「英語に浸りきる」時期が必要で、そのためには相手を尊敬し、交流しようとする気持ちがなにより大切なのだと思います。
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