icon-plane2014年11月 | マレーシアでちょこっとだけ子供の教育を考えた。

先日、東洋経済オンラインで知日家のマレー人、ニザムさんが言ったひと言が印象に残りました。

「マレーシア人ってすぐに友達になってくれるんですよ!」

これ、本当にそうなんです。

一つ例をお話します。私がマレーシアで初めて不動産を借りたときのこと。

担当してくれた不動産屋さんは30台の中国系女性で、一言で言うと、律儀な学校の風紀委員みたいな人。値引きには応じてくれないし、なんだかいろいろと厳しく、ちょっと恐そうな人だなーと思ってました。
だらしない私は「ここのサインが抜けてるわよ、鍵ちゃんと数えて持って来てね」などとイチイチ指示を受けては「ハイ、ハイ」とビクビク従ってました。

ところがその彼女、契約が終わったとたん、こんなことを言い出しました。

「じゃKyoko、これで契約は終わりだけど、今日から私とあなたは友達だから」

私は内心、「へ? どういうこと?」とあまり気にしなかったのです。
だってそうでしょ。不動産屋さんですよ。契約が終わったらトラブルでもない限り、普通関係はおしまいじゃないですか。

ところがその後、本当に彼女は私の友達になってくれました。

当時、マレー人の多い地区で一人も友達がいないという環境にいた私。

彼女は年中電話をかけてきては、「ちょっと時間ある? 面白い新聞記事を見つけたから会いたい」とお茶に誘ってくれたり、「電気代の請求見せて。あれちょっと高いわね? 電球変えて見なさい」などと教えてくれたりします。

こわそうな人だと思ってたけど、メチャクチャ親切な人でした。

彼女、私だけじゃなくて、自分が部屋を紹介したコンドの住人、みんなと友達になっているんです。そのうち、コンドの住人たちを紹介してくれるようになりました。

うち一人のマレー人女性とはお客さんと不動産屋さんという関係を超えて、日本に一緒に観光旅行しに行ってます。

私、彼女が紹介してくれたコンドはすでに出てしまったのですが、今でも関係は続いていて、一緒にジムに行ったり、バティクを買いに行ったりしています。

ジョホールバルの空港でヘイズのため足止めされていたときに出会ったマレー人女性とも、未だに関係が続いています。突然、「うちのドリアンがなったから取りにくる?」と電話がかかってきたりします。

通っているジムでも、見ていると、人種関係なくすぐに友達になります。
紹介して、名乗り合って、WhatsupやFacebookでつながり、すぐにいっしょにご飯に行ったり、旅行に行く話をしちゃったりします。このスピードがものすごく早いです。

もちろん合う/合わないはあるので、紹介したあとから「彼女はセンシティブすぎて私には合わない。だから距離をおくわ」「あの人は二面性があるから信頼できない」などという電話がかかって来たりするわけですが……。

そういえば、私がマレーシアに来たのも、17年前、インターネットのチャットで知り合い、いきなり「日本に行くから会おう」と言って来た、勇気あるマレーシア女性の一言がきっかけでした。当時の私ネットで知り合った人を「会う」ということにすごく抵抗があり、ものすごくビクビクしながら待ち合わせ場所に行ったことを思い出します。

もちろん、ぜんぜんフレンドリーじゃないマレーシア人もいます。自分たちのグループだけで固まって、新しく来た人には目も合わせないという人も知ってます。人種にやたらこだわって、ほかの人種とは打ち解けないという人もいます。気分屋で、自分が機嫌の良いときにしか挨拶を返さないという人もいます。

ただ、すぐに友達になってくれる可能性は、とても高いと思います。
知り合いの韓国人もカザフスタン人もイエメン人も、「マレーシア人はフレンドリーで本当に助かる」と声を揃えます。外国人がマレーシアで居心地よく感じるのは、こうしたマレーシア人の交流に対する垣根の低さも影響していると思います。

ニザムさんのインタビューはこちら。マレーシア人が日本人をどう見ているのかが率直に語っているので、面白いですよ。
マレーシア、「移住前に知っておくべきこと

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★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。
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★12月13日から1月5日まで一時帰国します。講演、取材、個別相談のお問い合わせなどは、以下までどうぞ。書籍を出したい人の相談にも乗ります。
[email protected]

投稿日:2014/11/29  Posted in なにかと楽しいマレーシア, マレーシア人の人間模様

告知が遅くなりましたが、東洋経済オンラインの連載、今回は「ジョホール・バルとマルボロカレッジの今」です。

開校して2年「マルボロカレッジ」は今

簡単に記事のポイントをまとめておくと、

・マルボロカレッジを含め、全体に日本人が増えている。
・学校が合わなくて帰ったり、国を変える人ももちろんいる。
・日本人が集中する学校は決まっている。中には3割日本人という学校も
・円安の影響+物価の上昇でコスト的なメリットは薄れている。

驚いたのはマルボロカレッジの生徒数があっという間に750人に増えていたことです。昨年「日経トレンディ」で取材に行ったときには、370人でした。この広いキャンパスに果たして人数が集まるのだろうか?と思っていたのですが、あっという間に目的の人数を達成しつつあります。

雨後の竹の子のように増えつつあるクアラルンプールのインターナショナルスクールも、どこもそこそこ順調に人数を増やしているように見えます。いったいどうなっているんでしょうか。

あらゆるものがグローバル化する中、教育も産業としてグローバル化しているというのを感じます。

イギリス人は多分、教育産業における英国ブランドの価値というのを良くわかっていて、積極的にアジアに分校を作っているんでしょう。しかし恐ろしい時代です。

フィリピンに行くと、アジアの英語教育センターとしての地位が着々と進んでいることに驚きます。昔は日本人、韓国人が多かったのが、今やロシア、台湾、中国、ベトナムといろいろな国の人が安く共通語としての英語を学べる環境が整いつつあります。

マレーシアは、英語はフィリピンには敵わないですが、英国の植民地であった過去を生かし、「エデュシティ」構想をはじめ、アジアの教育産業の集積地としての地位を狙っていますね。

先日、日本でも、東京理科大学がマレーシアにキャンバスを作ると発表しました。ほかにも日本からマレーシア進出を狙っている大学があり、マレーシア当局の認可を待っているとのこと。

マレーシアの全方位外交、他の文化に寛容な国民性は本当にこういう時に強みを発揮するでしょう。国民の多くが英語を理解し、中国語も比較的通じる。国民がよく外国人に慣れており、コミュニケーションが上手で、差別感情が薄く、イスラム国で、政情も比較的安定しています。

さらにエアアジアでアジア各地からの便が良く、電気、通信などのインフラも比較的良い、インド人と中国人が共存している、などいろいろな意味でアジアを中心としたグローバル化にもっとも向いた国という気がします。

実際に、数カ国語を理解する高等教育を受けたマレーシア人材は引く手あまただそうで、その分、人材流出の問題もあり、優秀な人材を国内にとどめるのは難しいかも知れません。

いろんな意味で日本と真逆な国。面白いです。

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投稿日:2014/11/28  Posted in 学校

何かと寛容なマレーシア人。

レストランでオーダーが遅くても、イライラしてる人はあんまり見ません。コンビニの店員さんたち、おしゃべりしたり、携帯電話みたり、のんびり仕事してます。タクシーもお客さんを載せたまま、フツーに給油したりしますが、それで文句言う人もいません。

やる気なさそうですが、ネット回線の販売中

国鉄の駅で、一つしかない切符売り場が閉まっていて「今トイレに行ってますので、少し待っててくださいね」という張り紙がしてあったこともあります。トイレじゃしょうがないですよね。

トイレに行ってます。切符買う人はちょっと待っててね!

雨期になると毎日雨が降りますが、雨が降ると道路が冠水したりして混むので、時間がぜんぜん読めなくなります。なので、私たち日本人もアポイントを詰め込む、ということ自体しなくなります。私も取材は1日一件しか入れません。

よって仕事はのんびりペースで行われますが、別にそれで問題が起きているわけでもなさそうです。

たとえば、私の通ってるジムにいるインストラクターは遅刻の常習犯です。この人、インストラクターの癖に、ほんとに年中遅れてきます。それどころか、たまに遅刻しすぎてレッスンに来ないこともあります。

私内心、「ああ、こりゃこの人そのうち首になっちゃうなぁ」と他人事ながら心配でした。

が、ある日、あることに気がつきました。

彼が遅刻して来ると、みんな拍手で迎えるんです。「わー、来たよ来たよ。よかったー」とほんと嬉しそうに。本人もあんまり悪びれずにやってきます。

メンバーのほうも心得たものです。「遅刻したら困るから、駅まで迎えにいってあげよう」という人も表れました。

もちろん中には「あんたの時間はいったいどーなってるのよ!」と詰め寄る中華系のおねいさんもいたりしますが、それに対して「あー今週は僕の時計がROSAK(壊れたという意味)しちゃってさー」とか意味のわからん回答で切り抜けてました。こういうときにマレー語を混ぜて回答されると、「なんだー、しょうがないか〜」って感じになるから不思議です。

 

交通機関の遅れもあります。

ヘイズが酷かったときに、ジョホール・バルの空港で飛行機が飛ばなくなってしまったことがありました。飛行機が飛ぶのはいつになるかわからないという状況です。ところが大勢が空港で足止めされているにも関わらず、どーものんきな雰囲気。

そのうち、待っている者同士がお茶を片手に自己紹介をはじめ、おしゃべりが開始されました。私もその輪に加えてもらい、出張中だったマレー系ビジネスウーマンと仲良くなりました。そうそう。マレーシア人ってすぐに友達になってくれるんです。彼女とはとても仲良くなり、今でもお互いの家を行ったり来たりしています。

もちろん、時間を守らない人ばかりかというとそんなことはなく、時間を守っている人もたくさんいます。とくにどうも私の周りのマレーシア人には、比較的律儀な人が多い気がします。

彼らとおつきあいを初めて今年で17年近くになりますが、実は待ち合わせしていてあまり待たされた経験がありません。入稿前になると社員がどっかに逃げちゃうみたいな特殊な職場にいたためか、あんまり日本と変わらないように感じます。

私が鈍いのかもしれませんが、よく言われる「マレーシア時間」があんまりピンと来ないんですよ。引っ越し屋さんも電話屋さんも保険屋さんも、時間ピッタリに来ました。

先日記事に書きましたが、何かを頼んだら、相手のペースで仕事をするのが当然、なのだそうです。彼らを必要以上に急かすのは、失礼なことなのだそうです。

私のよーな適当な人間にはなんとも居心地がいい国であります。

 

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マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩

投稿日:2014/11/14  Posted in なにかと楽しいマレーシア

東洋経済オンラインの連載、今回は今話題のエプソムカレッジに行ってきました。

エプソムカレッジ・マレーシア校に行ってみた

KLIAそばに今年9月に開校したばかりですが、本校は英国で150年の歴史を誇る学校で、エアアジアのCEOであるトニー・フェルナンデスの母校としても知られています。

彼の「自分の受けた教育をぜひアジアで手軽に受けられるようにしたい」という熱意が実り、マレーシア人だけでなく、アジア中からの子どもたちの学び舎を目指しています。日本や中国での宣伝にも力を入れており、担当者は先日東京に行って来たばかりで、日本語のパンフレットも用意しています。

こうした学校に特徴的なのは、スポーツや芸術など勉強以外の部分に力を入れているところです。音楽ホールや運動場など、一見こんなに必要なのだろうか?と思うほどの設備が広大な敷地に点在しています。

イギリスの学校がアジアの分校を作る場所として、マレーシアを選ぶケースが増えています。英語が通じ、エアアジアで交通の便もよく、ムスリムの受け入れもできるということから、アジアの学生を集めるのには理想的な環境なのでしょう。

担当の方は、「今ヨーロッパの学校はアジアへの進出を狙っていますが、候補として考えられるのは、マレーシア、シンガポール、フィリピンなどになるでしょう。うち、英語が通じて、政情、治安が安定しており、なおかつ物価がそんなに高くない、となると選択肢はマレーシアになると思います」ときわめて現実的な回答をくれました。

フィリピンは現在アジアの英語学校のハブになってきており、従来の韓国人、日本人から、ターゲットを中国人、ベトナム人、台湾人、タイ人、ロシア人などに広げており、500校以上の学校が集まっているという話も聞きました。

同様にマレーシアがアジアの教育のハブになる日が来るのでしょうか。

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マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩

投稿日:2014/11/09  Posted in 学校

かなり遅くなりましたが、東洋経済の記事を更新しました。

ちょっと趣向を変えて、マレーシア人とのおつきあい編。

友達から最近「学校のお弁当ハラルって言われたんだけど、どうすればいいの?」と聞かれたのがこの記事の発端です。そういえば、ちゃんと聞いたことなかったなーと思い、記事にしてみることにしました。

わからなければ、マレー人に聞いてみよう、ということで、日本を良く知っているローカルのマレー人の方に、「おつきあいの最低限の常識」を伺ってみました。

私も最近、マレーシア人のお宅に招かれたり、パーティーに参加したりする機会が増えて来て、そのたびにローカルの友達に聞きまくっていますが、まあいろいろ失敗もしています。

どちらかというと、不義理をしてしまっていることのほうが多いかも(泣)。

もちろん、日本人にいろんな人がいるように、マレーシア人にもいろいろな人がいます。そうそう。一般にマレーシア人は急ぐのが嫌いと言われますが、そういう人ばかりでもないようです。

先日、友達の車の名義変更のときのこと。仲介に入ってくれた中国系の保険屋さんは時間に厳しい人で、車検場がわからず時間ぴったりに来ない私たちに電話をかけて来て、「まだか、まだか」と催促してきました。その後の仕事もてきぱきとしていて、あっという間に車検と名義変更を終わらせてしまったのにはビックリでした。

私が移住したときにお世話になった中国人の不動産屋さんもとにかく時間には厳しい人でした。この人、私のマレーシア人への印象を覆すような面白い人なので、そのうち記事に書こうと思ってます。

皆さんも、取材して欲しい対象がありましたが、ご連絡くださいー。

東洋経済オンライン 「マレーシア 移住前に知っておくべきこと」

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投稿日:2014/11/05  Posted in 未分類