ちょっと前、クアラルンプールは世界で6番目に危険な都市、と題した記事が話題になりました。
元記事は「世界の危険都市10」と題したオンラインの記事で、
クアラルンプールを6位にランクインさせていたことから、
新聞でも取り上げられたりして議論が勃発。
ちなみに元記事はここです。
犯罪率が70パーセントもアップしているとありますが、このデータがどこから出て来たのか、
真意はよくわからず、記事自体の信憑性も微妙です。
もっと危険な都市はたくさんありそうな気もします。
http://10awesome.com/10-dangerous-cities-in-the-world/
が、しかしです。
治安がいいか?と言われたら、このブログでも再三書いて来た通り、決して良くはありません。
ここのところ、マレーシアでは、レストランや一般の商店がいきなり襲撃されて
金品を奪われるという荒っぽい強盗事件が相次いでます。
レストランにいたお客も犠牲になっているようで、戦々恐々としています。
そしてついに先日、チェーン店のKKスーパーマートが相次ぐ強盗に堪え兼ねて、
セキュリティーを雇うことを決めたようです。
大手スーパーではすでに入れているところもありますよね。
http://www.thestar.com.my/News/Nation/2013/07/24/KK-Supermart-fight-back.aspx
ブロガーのMarsha Manungさんも
「マレーシアが安全ですって? 本当にそう思う?(Really? Malaysia is Safe, You Say?)と
題したエントリーで、レストランが武装した警備員を雇うという話を紹介しています。
「貴金属を売っている小売店や銀行、セキュリティ会社が武装した警備員を雇うならわかるよ、
けどレストランだよ!」と憤慨しています。
今後はレストランやスーパーでも武装警備員を雇うのが一般的になり、
そうしたところに行ったほうが安全、ということになるのかも知れません。
私の本です↓
投稿日:2013/07/28 Posted in 未分類国語はマレー語。でも日本人よりみんな英語はずっと上手
マレーシア人の英語は日本人よりずっと上手です。
どれくらい上手かというと、EF Education Firstの『2012年度EF EPI英語能力指数』ではアジアでシンガポールに次ぐ第13位(日本は22位)。アジアではフィリピン、シンガポールと並んでトップクラスにあります。
しかし、ネイティブというわけじゃないんです。マレーシアの国語はマレー語です。たいてい、家では別の言語を話しています。インド人や中国人もいて、家では福建語やタミル語という家庭も多いです。テレビのニュースも多くはマレー語です。官公庁にいくとマレー語です。同じアジアでもシンガポールやフィリピンとは事情が異なります。
簡単な英語はどこでも通じますが、各自の英語力にはばらつきがあり、英語が得意でない人もいます。
時代によって変わるマレーシア人の英語力
マレーシア人の英語力は世代でも変わります。
近年、政府がマレー語回帰を打ち出したため、マレーシアの公立学校では、理数系科目はマレー語で教えることになりました。以前はすべての科目を英語で教えた時代もありました。そんなわけで、近年、英語力の低下がマレーシアでは問題になっています。
教師の英語力不足が言われたり、医師になる人が英語力が足りないため勉強を続けられなかったりという問題が出てきているんですよ。
英字新聞であるThe star!紙には年中、英語力を向上しようという記事が出ています。
マレーシア人の英語はなまっている?
とある米国人は、はじめマレーシアのインターナショナルスクールのインド人の先生が、何を言っているかさっぱりわからなかったそうです。中には「訛りが移って来た~」と笑ってるネイティブもいました。
反対に、ここで英語を習っているとある日本人の学生さんは、マレーシア人の英語なら聞き取れるが、イギリス人の英語は難しいそうです。
英会話を目的に来た方は、学費は張りますが、日本と同様、西欧人の駐在員向けの学校に入れるなど工夫が必要かも知れません。
可愛いマングリッッシュを覚えよう
さて、マレーシアにはマングリッシュと言われる特有の英語があります。発音もそうですが、マレー語や中国語などと混じった表現がユニークです。シンガポールのシングリッシュと似ていますが、Wikipediaにはマングリッシュ特有の文法やら語彙の意味まで書いてあります。http://en.wikipedia.org/wiki/Manglish
一見、流暢に話している人も、文法を無視していたりすることがあります。
とくに三単元のsなどはしばしば犠牲になっています。
だからこそ、マレーシアの人たちは、外国人の下手な英語でも辛抱強く聞いてくれます。
これ、大人になって英語を勉強した私のようなジャパニーズイングリッシュスピーカーには大変ありがたい環境です。
ここでの英語は異民族がお互いに意思を伝え合うための「手段」なのだと思います。
マレーシア人が何を言っているかわからないとき、「レッツマカンラー」みたいに、もしかしたらマレー語や中国語が混じっているかも知れません。
ソーシャルメディアなどを見ていると、ジョークの落ちがいちいちマレー語だったりします。そう、彼らは好んでマレー語や中国語を英語に混ぜています。
「シンガポール人は私たちを笑うかもしれないけど、マレー語と英語を混ぜたほうが、可愛く聞こえるでしょ」と言っている人がいました。
Twitterで5万人以上のフォロアーを誇る「Typical Malaysian」さんがつぶやいてました。
「マレーシアでは、一つの文章に複数の言語を混ぜるのはアリです。意味がわかれば、それでいいんです」
「語尾にラーを付けると、怒ってる感じとか、急いでる感じとか、助けを頼む感じとか、とにかくマレーシア人っぽい感じが出せますよ~」
東洋経済の連載記事のリンクです。
http://toyokeizai.net/category/malaysia
★マレーシアの教育環境について、良い点悪い点率直にまとめました。電子書籍版です。
★マレーシアに車なしで住むノウハウをまとめてみました。電子書籍版です
★フェイスブックで日本にいながら国際交流する方法を書いた書籍(角川書店から発売)です。私はこうしてマレーシア人をはじめ、フィンランド人、香港人などと友情を育んできました。
★2011年に書いたフェイスブックの入門書。書籍を出版できたのも、マレーシア人のおかげでした。マレーシア人のフェイスブックの使い方についても触れています。
投稿日:2013/07/07 Posted in マレーシアで学べること, 教育
またまた扇情的なタイトルを付けてしまいました。
元ライブドア小飼弾さん×元アップル松井博さんの対談の続編がアップされました!
いまや学校で教わらなくても、グーグルで検索すればたいていの情報は書いてあります。
自分で自分を教育することも容易になりました。
ただの「物知り」が急速に価値を失いつつある今、学校に行く意味ってそもそもなんなんでしょうか?ってお話です。
いまや出来る子は語学でもなんでもYouTubeなどで勝手に勉強してしまいます。
タダの教材はウエブに溢れており、プログラミングもウエブ上に教材がたくさん転がっているそうです。一流大学の講義だって無料で見ることができますし、TEDだって無料ですよね。
受験戦争が白熱する一方のここマレーシアでこんなことを言うのもナンですが、今後、教育自体が無料に向かっていくのかも知れません。
一方、いまや修士を出た学生が世界的に就職難に陥っています。ホワイトカラーの仕事が急激になくなっているのです。
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松井:仕組みづくりって、学校では教えてくれません。
日本の学校は人との距離を測るとか、言われたことをやるとか、そういうことしか学校で教えてくれない。もし“企業帝国(国境を気にせず自らの利益を追い求める企業)”で出世したければ、仕組みづくりができないとダメなんです。
一方、ネットで検索して自分で自分を教育する人がいっぱいいるわけで。後進国ではそうした人が増えてきました。
小飼:そうなんです。テストの点数がいい子はいいゲームプレイヤーになれるかもしれないけど、ゲームメーカーにはなれない。ゲームメーカーになって初めてそのゲームに対して報酬が支払われるのにね。(中略)「学校を卒業すると、何かいいことあるの?」という質問に対し、本当にさらっと説明できないんですよ。
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とはいえ、大多数の人は仕組みの中で働くほうがずっと楽なのではないかと推察します。もちろん、その仕組みが継続すればの話ですが。
そしてアップルも最近は高学歴化が進み、よほど良い大学を出ていないと採用されないようです。しかし……。
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松井:「今後のアップルは大丈夫でしょうか?」とよく聞かれますが、アップルには以前、中卒や高卒の人がたくさんいました。ですが、最近はどんどん減っていて……これって残念だなあと思いますね。
小飼:高学歴の人ってやっぱり仕組みを維持する側にまわってしまう。仕組みの中で育ってしまうとなかなか仕組みをつくる方向にいかないんですよね。
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ううむ、たしかに高学歴の人ってシステムを維持するには最適な人材な気がします。
とくに日本の高学歴者はその傾向が強いかも……。
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小飼 そもそもコンピュータサイエンスなんかを勉強するのに大学に行く必要があるのでしょうか。
松井:本当にそうですよね。僕も新しい言語を覚えるときには、書店で数冊の本を買って、あとは“グーグル先生”に聞けばたいていのことが分かる。
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個人的には学校に行くのはやはり価値観の違う人と出会うためかなぁと思ったりしています。
全文はここで読めます。毎回手前味噌ですが、読んで損はないです。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1307/05/news009.html
でも興味持ったら下記の本も買ってください! すいません毎回宣伝エントリで。
「企業が『帝国化』する」(松井博/アスキー新書)
http://www.amazon.co.jp/dp/4048869647/
「僕がアップルで学んだこと」(松井博/アスキー新書)
http://www.amazon.co.jp/dp/4048865390/
私の本もよろしくお願いします! →「アジア子連れ教育移住の第一歩」
投稿日:2013/07/05 Posted in 未分類
最近、日本人の方に取材でお話を伺う機会が増えています。
マレーシアで子育てをしている多くの方は、おそらくグローバル社会に対応できるように、子どもをアジアで教育したい、と考えていると思います。
本土の中国人や韓国人も、同様に考えてマレーシアに来ている人が多いようです。まさに教育のグローバル化ですね。
でも、肝心のグローバル企業って何? って言うと、イメージが漠然としてると思うんですね。
案外、グローバル企業の実態って知られていません。
アップルとかグーグルとか、横文字系の会社で、英語を使って世界中の人と一緒に働く、みたいなイメージでしょうか? どことなくスマートで洗練されたイメージがあると思います。
しかしですね、巨大なグローバル企業の内実、これがなかなか悲惨だったりします。
手前味噌ではありますが、「ビジネスメディア誠」で始まった小飼弾さんと松井博さんの対談が、参考になります。
とくに元アップル管理職の松井さんが語る、アップル本社の実態が強烈です。
「米国で働くビジネスパーソンって「17時に帰ってワーク&プレイ」というイメージがあるかもしれませんが、「ワーク、ワーク、ワーク」の世界なんですよ。」
「企業帝国の軍人さんで、10年間働く人はゼロではないけど、それだけ働くと心身ともにボロボロになるでしょうね。ゲームにはまっているようなもんですよ。」
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1306/21/news005.html
楽天やユニクロの英語公用化が話題になっているようですが、英語の先に待っているものは、世界中からやってきた超優秀な人たちとの、ありえないほどの過酷な競争だったりします。
いまやシリコンバレーはアジア人ばかり。インド人や中国人との競争にうんざりした白人は、引退すると白人ばかりの街に引き蘢ってくらしてしまったりするそうです。
松井さんの著書を読むと、あまりにエグいグローバル企業の実態に唖然とします。
日本人はある意味、固い日本語の壁に守られているので幸せかも知れません。
この対談、私がまとめを担当させていただいたのですが、このあと、話は国家の役割から教育にまで及びます。非常に興味深いことを語っていますので、乞うご期待。
私の本もよろしくお願いします。
マレーシアの学校の○と× アジア子連れ教育移住の第一歩